ミス・マープル『動く指』『予告殺人』『魔術の殺人』『ポケットにライ麦を』@DVD

1980年代半ば~90年代はじめに製作されたジョーン・ヒクソンによる「ミス・マープル」シリーズを順に観ていますが、今回は4本まとめてレビューです。

ミス・マープル動く指.jpg

まずは『動く指』。
原作ではシリーズ3作目。ドラマ制作では10作目にあたります。

英国の田舎町リムストンに、差出人不明の怪文書が出回っていた。
文書の内容は、いずれも不道徳な行いを詰ったもので、古い書物から単語が切り取られていた。
リムストンの牧師の妻からミス・マープルに調査の依頼がなされた矢先、地方弁護士の妻・シミントン夫人の遺体が発見される・・・

といった内容は「ミス・マープル」シリーズで度々描かれる英国田舎町の閉鎖的で嫌らしい一面。
ドラマとして傑出しているわけではないが、マープルものらしさは出ている作品。

評価は★★★(3つ)。

ミス・マープル予告殺人.jpg

つづいて『予告殺人』。
原作4作目、ドラマ制作3作目です。

英国田舎町の地方新聞に「本日、午後6時30分、リトル・パドックス館にて、殺人あり」といった広告が掲載される。
ちょっとした余興だろうと近所のひとびとが出かけていくと、広告どおりの時間に皆が集まった客間の電灯が消され、そこへ謎の人物が躍り込んでくる。
銃声の後、灯りをつけると、件の謎の人物が死んでいる・・・

といった内容で、最近日本でもドラマ化されました(探偵役はマープルではなかったけれど)。
1時間の放送枠×3回のシリーズもので、通常作品より尺は長め。
その分、人物の書き込みがしっかりしており、長さの割には飽きず、ドラマ版の中では上位の出来。

評価は★★★★(4つ)としておきます。

ミス・マープル魔術の殺人.jpg

つづいて『魔術の殺人』。
原作5作目、ドラマ制作12作目です。

旧友の館を訪れたミス・マープル。
そこは姻戚関係が複雑な家族だったが、家長は知的障害をもつ青少年のための施設を営んでいる。
一同が広間に会したある夜、隣室で銃声が轟く。
事件か事故かと訝しんだが、死体は別の場所で発見される・・・

といった内容で、ゲストスターとしてジーン・シモンズが出演している。
が、登場人物があまりにもごたごたしている一方、事件の真相(トリック)は「これしかない」的なものなので、鼻白んでしまいました。

評価は★★(2つ)です。

ミス・マープル・ポケットにライ麦を.jpg

さいごは『ポケットにライ麦を』。
原作6作目、ドラマ制作2作目です。

金融業を営むフォーテスキューが、ある日、ロンドンのオフィスで毒物による中毒死を遂げる。
奇妙にも「ポケットにライ麦」が入っていた。
フォーテスキュー家に務めるメイドのために紹介状を書いた経緯から邸に駆け付けたマープルは、以前からツグミを使った嫌がらせを受けていたことを知り、マザーグースの童謡を模しているのではないかと推理する・・・

といった内容で、警部役がトム・ウィルキンソン
見立て殺人としては、無理やり感が無きにしも非ずだけれど、見立て殺人とはそんなものだからね。
事件のカギを握るメイドに絡む謎の人物は、よく考えるとわかるのだけれど、うまくドラマ化できている部類。

評価は★★★☆(3つ半)としておきます。
ミス・マープル・ポケットにライ麦を・トム・ウィルキンソン.jpg

(警部役のトム・ウィルキンソン)

あと残りは5作品です。一応、全部観るつもり。
マープルとポワロ.jpg

(ドラマ宣伝のためにマープルとポワロがそろい踏み。珍しや)

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この記事へのコメント

ぷ~太郎
2020年09月09日 15:08
この中ではやはり「予告殺人」が傑出していますよね。村人が大勢でてくるので当時の村の様子も描かれ話が面白い。よく考えると甲状腺疾患についておかしな点もあるのだが、それには目をつぶることに。他の作品はクリスティらしいトリックですが、「魔術の殺人」がとりわけてつまらないですね。人物関係がわかり辛いわりには、それがトリックとは関係ないから余計にがっかりでした。
りゃんひさ
2020年09月09日 20:34
>ぷ~太郎さん

「予告殺人」はクリスティ自身もベスト作品(複数作品)として選出していますものね。