『ザ・ゴーレム』:新解釈で見応えのあるユダヤ民俗ホラー @DVD

ザ・ゴーレム.jpg

昨年秋の「シッチェス映画祭ファンタスティック・セレクション2019」で小規模ロードショウされた『ザ・ゴーレム』、DVDで鑑賞しました。
製作は珍しやイスラエル。ですが、セリフは全編英語です。
さて、映画。

17世紀、バルト海に近いリトアニアの地、ユダヤ人の一団がこの地に移ってきた。
彼らは人里離れた地を選んでいたが、最も近いロシア人の村では疫病が流行っていた。
妹を疫病におかされたロシア人青年が仲間を引き連れてユダヤ人コミュニティにやって来、病気を治さないとコミュニティを焼き払うと脅す。
コミュニティのひとりハンナ(ハニ・ファーステンバーグ)は、カバラの秘術を使って泥人形に命を吹き込んで「ゴーレム」を生み出すが、その姿は、ハンナの失った7歳の息子に似ていた・・・

といった物語は、ユダヤ教で伝承されるゴーレム物語に基づいている。

ゴーレムを題材とした映画としては、戦前にドイツ、パウル・ヴェゲナーの手によって作られたサイレント映画『巨人ゴーレム』を観ているが、この映画ではユダヤ教の伝承に加えて、母子愛を絡めることで、より興味深いドラマに仕上がっています。

ゴーレムはユダヤ人たちを救うものではあるが、土塊からつくられているため心がなく、それゆえ、一度暴走するとその歯止めは効かず、敵も味方も滅ぼしてしまう。
この人造人間テーマは、のちの「フランケンシュタインの怪物」物語に受け継がれるが、この映画でもそのあたりは巧みに描かれています。

また、映画独自に加えられた母子の物語だけれども、ハンナは息子を喪った後は、新たに子どもをもうけることを拒否し、コミュニティの女呪術者が処方する避妊薬を用いている。
このあたり、なかなか興味深い。
しかしながら、コミュニティの危機、つまり自らの生命の危機を感じたハンナは、かねてから学んでいた秘術でゴーレムを創り出すが、その姿は図らずも喪った子どもに似ている。
後々、ゴーレムとハンナは精神感応現象を現わすのだけれど、当初からその素地はあり、パウル・ヴェゲナー版のような巨人ではない。

この子どもというスタイルは、映画が進み、阿鼻叫喚の地獄絵図のシーンになると活きてきます。

巨人による殺戮よりも、子どもによる殺戮の方が恐ろしい・・・
スペイン映画『ザ・チャイルド』やスティーヴン・キングの『トウモロコシ畑の子どもたち』『ペット・セメタリー』『ファイアスターター』などが思い起こされます。

ヴェゲナー版でゴーレムの暴走を止めるのは無垢な子どもたちでしたが、今回は当然にして母の愛。

ということで、結構、見どころ多い、拾い物ホラーでした。

評価は★★★☆(3つ半)としておきます。

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2020年映画鑑賞記録

新作:2020年度作品: 63本
 外国映画49本(うちDVDなど18本)
 日本映画14本(うちDVDなど 2本)

旧作:2020年以前の作品: 70本
 外国映画45本(うち劇場鑑賞 4本)←カウントアップ
 日本映画25本(うち劇場鑑賞 3本)
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この記事へのコメント

大嶋昌治
2020年08月29日 21:05
はじめまして。福井市在住の大嶋昌治(おおしままさはる)と言います。聖書預言を伝える活動をしています。

間もなく、エゼキエル書38章に書かれている通り、ロシア・トルコ・イラン・スーダン・リビアが、イスラエルを攻撃します。そして、マタイの福音書24章に書かれている通り、世界中からクリスチャンが消えます。その前に、キリストに悔い改めて下さい。2020年を悔い改めの年にしてください。携挙に取り残された後のセカンドチャンスは、黙示録14章に書かれています。