『明日に処刑を・・・』:ラストショットはスコセッシ監督のベストショットではないか @録り置きビデオ

明日に処刑を.jpg

御大マーティン・スコセッシ監督の長編第2作『明日に処刑を・・・』、録り置きビデオで鑑賞しました。
録り置きビデオ? VHSテープです。
うわ、古!
録画したのは1996年。まさに前世紀の遺物ですね。
さて、映画。

1930年代、大不況真っただ中の米国。
貧しい農夫の娘バーサ(バーバラ・ハーシー)は、父が農薬散布の飛行機事故で死んでしまう。
父親は雇われパイロットだったので財産などなく、バーサは貨車に乗って町から町へと渡り歩く生活をせざるを得なくなった。
そんなある日、バーサは事故現場に居合わせた労働組合員のビル(デイヴィッド・キャラダイン)と再会、心惹かれて結ばれたるが、ビルはバーサに5ドル札を残して去ってしまう。
再び貨車での放浪を続けるバーサは、ちんけな街頭博奕で知り合った詐欺師レーク(バリー・プリマス)といい仲になり、旅を続けることになる・・・

といったところから始まる物語。
マーティン・スコセッシ監督の長編第2作、商業用映劇画としては第1作になる本作、ロジャー・コーマン製作のAIP作品だが、そういえば当時、ロジャー・コーマンは自身監督の『血まみれギャングママ』や『ビッグ・バッド・ママ』など不況時代の米国を舞台にした映画をよく製作していました。
まぁ、いまから考えると蒸気機関車や当時の風俗のプロダクションだの製作費を食うこと仕切りだろうが、同じプロダクトの使いまわしで安くしのいだんだろうと思います。

スコセッシ監督の才気ば感じられるが、前半、繋ぎの上手くないところも散見され、まだまだ習作的な出来と言えなくもないですが、日本タイトルのもととなったラストショットは、とにかく印象的。

犯罪を重ねるうちに、目的を失ったかのようになったバーサとビルたち。
時を経て、隠棲生活を続けていたビルのもとへ、反組合(反共産主義)の殺し屋たちが訪れる。
なぶり殺しにされ、貨車に磔になったビル。
現れる仲間の黒人ヴォン(バーニー・ケイシー)。
銃撃で反組合員たちは血まみれになるが、ビルは磔のまま息絶えてしまう。
それを知ってか知らずかバーサは、磔になったビルをそのままに動き出した列車を追っていくが、列車はそのまま動き続けたまま・・・

というのを、動き出した列車の上からワンカットで撮ったラストシーンは素晴らしい。
たぶん、スコセッシ監督のベストショットではないかと思うほど。

とはいえ、途中娼婦に身を落としてしまうバーサの身の上については同情はするものの、途中からただのアウトローになってしまうビルたち男連中にはあまり共感できず、なんともやりきれない話なんだけれども、それゆえに遣る瀬無い思いが残りました。

評価は★★★☆(3つ半)としておきます。

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2020年映画鑑賞記録

新作:2020年度作品: 64本
 外国映画50本(うちDVDなど18本)
 日本映画14本(うちDVDなど 2本)

旧作:2020年以前の作品: 76本
 外国映画51本(うち劇場鑑賞 7本)←カウントアップ
 日本映画25本(うち劇場鑑賞 3本)
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