『TENET テネット』:ノーラン流007はロマンチック映画 @ロードショウ

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クリストファー・ノーラン監督最新作『TENET テネット』、ロードショウで鑑賞しました。
前置きなしで、さて、映画。

キエフのオペラ座でのテロ事件のさなかに、敵側につかまり自決の道を選択した男(ジョン・デヴィッド・ワシントン)。
死の淵から帰還した彼に告げられたのは、あるミッション。
エントロピーの変化を操作できる装置が未来で作られ、何者かによって、その装置が現代に送り込まれてきた。
装置の使い方によっては世界が破滅する。
よって、その装置を手に入れてほしい・・・

といったところから始まる物語。
ま、こんなにわかりやすいように映画は始まらないのだけれど、簡単に書くとこんな感じ。

何者かが、ある装置で、世界を破滅させようとしている。
装置を取り戻して、世界を破滅から救う・・・
という、007に代表されるスパイ映画だ。

ただし、これまでのスパイ映画と違うのは、その装置の一部が劇中早々から起動しているために、時間の流れが前後したり、遡行したりする点。

安っぽいスパイ映画だと、その装置の一部が起動していても、コップに溶けた氷の塊(すなわち水)が、エントロピー減少により時間遡行で、水自ら氷の塊に戻るのをみせて、登場人物たちは時間を飛び越えて移動したり、遡行行動(逆回転世界での順方向行動)をとったりしないわけで、もう、予算もへったくれもなく、そこんところを見せるのがこの映画の見どころ。

で、007シリーズ中でも『女王陛下の007』がお気に入りのクリストファー・ノーラン監督は、そういう特撮的見せ場以外に、運命論的男女の関係を持ち込んできました。
ストーリーが進んでいくうちに、主人公の活動の動機を、世界救済から運命の女の救済へと巧みにすり替えていきます。
そして最後には、ラブロマンス+スパイスリラーの古典『カサブランカ』へオマージュを捧げます(ノーラン監督は基本的にロマンチストなわけです)。
(「これは、美しい友情の終わりだ」というセリフは、『カサブランカ』の「これは、美しい友情のはじまりだ」のもじりですね)

というわけ、ノーラン流のスパイ映画は、時間SFを取り入れたロマンチック映画でした。

評価は★★★★(4つ)としておきます。

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2020年映画鑑賞記録

新作:2020年度作品: 67本
 外国映画52本(うちDVDなど18本)←カウントアップ
 日本映画15本(うちDVDなど 2本)

旧作:2020年以前の作品: 60本
 外国映画53本(うち劇場鑑賞 8本)
 日本映画27本(うち劇場鑑賞 4本)
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この記事へのコメント

じゃむとまるこ
2020年10月02日 00:22
ノーランは基本的にロマンチストというのは同感です。
そのロマンチストの方向性が好きかそうじゃないか、ということなんですが・・・・
本作は散々迷った末に観ることにしました。
そのかなり大きな目的はロバート・パティンソンを見ることにあります。
りゃんひさ
2020年10月02日 21:56
>じゃむとまるこさん

ほぉ、パティンソン! ちょっとエキセントリックな雰囲気な俳優さんですよね。本作では、やや灰汁抜けしたかもしれません。
2020年10月02日 22:43
ロマンティック映画だったのか・・・ううむ。
色んな要素があり過ぎて、どうにもこうにも。。。
りゃんひさ
2020年10月03日 11:23
>トリトンさん

はい、ロマンティック映画です。「運命の女」モノの。
じゃむとまるこ
2020年10月05日 13:13
観てきました♪
そうですね~ロマンチック映画でした、しかも今までのノーラン作より好みでした。
ワシントン君もパティンソン君も魅力的でした。
りゃんひさ
2020年10月05日 20:22
>じゃむとまるこさん

ご覧になりましたか! レビューアップお待ちしております。
2020年10月06日 17:12
こんにちは。
ノーランがロマンチックを取り入れているという解釈は興味深いです。
じゃんじゃんばりばりが主流かな、と思っていたけれど。うん、そう言われてみれば。
しかしゴージャスな展開と映像でした。
りゃんひさ
2020年10月06日 22:37
>ここなつさん

コメントありがとうございました。
『インセプション』もロマンチックを取り入れていたので、ノーラン、結構ロマンチストかもしれません。時間モノ映画を撮る人は意外とロマンチストかも。