『暗闇にベルが鳴る』:拙い脚本と演出で傑作になりそこなったね(たぶん)@DVD

暗闇にベルが鳴る.jpg

1974年製作のサスペンスホラー映画『暗闇にベルが鳴る』、DVDで鑑賞しました。
前置きなしで、さて、映画。

70年代、クリスマスイヴの北米の田舎町、大学の女子寮に集う面々。
総勢10名の寄宿生であるが、多くは親元に帰ることに。
クレアもその一人で、父親と会って、ともに帰ることにしていた。
が、父親との待ち合わせ場所にクレアは現れず。
そういえば、イヴの夜、女子学生たちが行っていたパーティの場に、変質者からの変態的な電話がかかってきていた・・・

といったところから始まる物語で、このとき既にクレアは殺されており、女子寮の屋根裏部屋に死体が放置されている。
女子寮には、謎の殺人犯が潜んでおり・・・といったことが示されている。

主演はオリヴィア・ハッセー(ジェス役)。
ピアニスト志望で同大学の音楽院に通う、彼女の恋人役ピーター役にケア・デュリア
同じ寮に暮らす、先進的な(性的に開けっぴろげで、アルコール依存度が高い)バーブ役にマーゴット・キダー
中盤以降、事件を捜査するフラー警部役にジョン・サクソン、といった演技陣は、それほどマネーメイカーな俳優はいない(が、それぞれ当たり役はある)。

前半は、かなりもたもたした演出で、当時としてもあまり出来がいいとは思えないが、後半、かなり持ち直す。

妊娠したジェスが、ピーターに中絶話をし、謎の変態的電話をかける殺人鬼が電話でその話を持ち出したことから、ピーターに嫌疑がかかる。
が、それも束の間、最初の変態的電話がかかってきたとき、ピーターはジェスとともにいたので嫌疑外になる・・・
はずだが、疑心暗鬼の末、殺人鬼からの魔手から逃れようと地下室に隠れたジェスのもとに、彼女を心配したピーターがやって来、思い余ったジェスがピーターを殺してしまう。
やはり、彼が殺人鬼だったか・・・

と思わせた後、殺人鬼はいまだに女子寮に潜んでいる・・・というラストまでの20分あたりは、省略の妙で意外なほどの緊迫感がある。

省略の妙とは、
ジェスがピーターを殺すシーンは写されない、
彼女のもとに駆け付けようとする警察陣とのカットバック、
ピーターを殺したのち、意識を失ったジェスをベッドに寝かせつけた女子寮の周りでは報道陣が喧しいがその姿は写さず、音声のみで報道陣が退散することが示される、
その後、寮内の犯行現場を移動撮影で示して、最終的に、いまだ殺人鬼が潜む屋根裏部屋へ・・・
といった演出は、安手のプロダクションを逆手に取った演出で、もっと評価されてもいいと思うのだが。

さらに、後の連続殺人ホラーのエピックとして、
記念日・特定日での殺人、
逆恨み的な理由なき殺人、
という、この当時にしては画期的な展開であったところも評価できます。

ただし、ハナから「殺人鬼、寮内にいるのがわかっているのに、かつ、死体が屋根裏にあるのに、どうして調べないんだよ」といった間抜けに見える展開なのが致命的なキズ。

これとて、
クレアは外出した、と皆が思い込んでいる、
理由なき殺人鬼など、当時の常識ではあまり考えられない、
といった目くらましが、演出としてうまくできていない故でしょうね。

一応、目くらましとしては、別の犯人(と思うのだが)による「13歳の少女殺害事件」が同時並行で描かれるのが目くらましなのだが、こちら側の犯人も逮捕されないので、話がわかりにくくなっています。

もう少し、上手な脚本家が書くと、いま「傑作」と言われるのになぁ、と思いました。

評価は★★★(3つ)としておきます。

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2020年映画鑑賞記録

新作:2020年度作品: 74本
 外国映画57本(うちDVDなど19本)
 日本映画17本(うちDVDなど 4本)

旧作:2020年以前の作品: 62本
 外国映画55本(うち劇場鑑賞 8本)←カウントアップ
 日本映画27本(うち劇場鑑賞 4本)
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