『弥生、三月 君を愛した30年』:脚本、演出とも粗が気になって・・・ @DVD

弥生、三月.jpg

今年春さきにロードショウされた『弥生、三月 君を愛した30年』、DVDで鑑賞しました。
そういえば、あの頃は、新型コロナ禍がこれほどまで長引くことが実感としてなかったころですね。
いや、3月自下旬の公開だから、「もう、ちょっとヤバいかも」と思っていたころかもしれません。
さて、映画。

1986年3月1日、宮城県仙台。
運命的に出会った高校生の弥生(波瑠)と太郎(成田凌)。
ふたりの間にいたのは、弥生の親友のサクラ(杉咲花)。
血液製剤によるエイズに罹患していたサクラを遠慮してか、弥生も太郎もふたりの距離を縮められなかった・・・

といったところから始まる物語で、テレビドラマの脚本家出身の遊川和彦監督第2弾は、3月だけを切り取って、その後30年以上のドラマを紡いでいくという大胆な試み。

その試みは悪くはないのだけれど、宮城県仙台、3月とくれば、当然、ドラマの転換点は東日本大震災。

なのだが、どうも脚本がうまくいかなかったのか、いくつもドラマ的な山があり、震災が大きな転換点にはならない。
いや、もしかしたら、大きな転換点にしたくなかったのかもしれないが・・・などと思ったりもするのだけれど、そもそも脚本が上手くない。

3月だけを切り取って30年以上のドラマを紡ぐのに、時制を前後させたりする必要はないだろうに。
逆に言うと、時制を前後させないとドラマが持たない、と思った脚本家としての弱音なのだろうか。
穿った見方かもしれませんが。

また、演出上でのセオリーが守られていないのも気になりました。

場面展開で、日めくりカレンダーをめくるように、上下移動で場面展開するのだけれど、日にち(年)が変わっているときのみならず、同一日の中でも同じ手法が使われており、これはよろしくない。
同一日の中で時間経過を示すならば、左右のワイプを使うとか、フェードアウトを使うとか、手法の変化は必要。

ついでながら、30年にわたるドラマだけれど、出演者たちがほとんど外見上変化しないのも、なんだかなぁ。
撮影前のメイクに時間がなかった?

とか、粗が目立ってしかたがありませんでした。

ラスト、宮城県では3月に桜は咲かないのだけれど、ま、ここは映画の嘘として目をつむるし、その後のエンドクレジット、前作『恋妻家宮本』と同じくカーテンコール演出をしているあたりは微笑ましかったです。

評価は★★☆(2つ半)としておきます。

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2020年映画鑑賞記録

新作:2020年度作品: 72本
 外国映画55本(うちDVDなど19本)
 日本映画17本(うちDVDなど 4本)←カウントアップ

旧作:2020年以前の作品: 61本
 外国映画54本(うち劇場鑑賞 8本)
 日本映画27本(うち劇場鑑賞 4本)
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この記事へのコメント

2020年10月09日 18:34
今作は、スルーしました。そのうち、地上波で放映されれば、見るかなぁ。

成田凌という役者は、素晴らしいと思うのですが。
りゃんひさ
2020年10月09日 22:10
>トリトンさん

ありゃ!『窮鼠・・』推しなのに!
っていっても、わたしもこの点数なので推せません。
2020年10月26日 16:35
こんにちは。
私、これぺらっぺらな感じがしたんですよね。最近流行りの(?)平成時代を辿っていく恋愛ものなのですが、なんか重みがないというか…
おっしゃる通り、演出も少し変だし、あざとささえ感じてしまいました。
役者さんは良かったんですけどね~
りゃんひさ
2020年10月26日 22:18
>ここなつさん

はははは、まさしくぺらっぺら。日めくりはカレンダーよりも薄手の紙ですしね。
ぷ~太郎
2020年11月08日 00:41
この監督、単に目先の新しさだけにこだわって作品をつくるんですよね。だから中身がないというか、あってもよさが伝わらないというか。
りゃんひさ
2020年11月08日 11:22
>ぷ~太郎さん

テレビの脚本家出身なので、目先の新しさにこだわるのでしょうね。テレビの脚本家のみなさんが、そうというわけではありませんが。