『サッドティー』:注目監督の習作、出世作 @DVD

サッドティー.jpg

このところ注目している今泉力哉監督の2013年製作作品『サッドティー』、DVDで鑑賞しました。
今泉監督といえば、昨年は『his』ですね。
この後も公開が延期になっていた『街の上で』と松坂桃李を主演に迎えた『あの頃。』が控えています。
さて、映画。

柏木(岡部成司)はあまり売れていない映画監督。
脚本はだいたい喫茶店で書いている。
一緒に暮らす女性はいるが、そのほかに昵懇の女性がいて、どちらも普通に愛している。
彼のもとに来たのは、幼馴染のカップル。
今度、友だちの結婚式で贈るメッセージビデオの制作を依頼しており、その出来上がりを確認しに来た・・・

といったところから始まる物語で、そのほかに結婚を間近に控えた元アイドル、そのアイドルを10年間想い続けていた男性、元アイドルのDVパートナー、喫茶店の女店員に思いを寄せる男などなどが登場しての恋愛群像劇。

全体を12章に分けて、ずんだらにならないように工夫しており、次から次へと登場する人物たちも描きわけが出来ている。
ま、みなそれぞれに少々ヘンなところはあるものの、心底からは憎めない、優柔不断なくせに、ときに思い切った行動に出てしまうという、今泉監督が創り出すキャラクターたちなので、こんな人たちには付き合っていられないよ、という観客にはまったくもって不向きな映画だろう。

が、個人的には面白かった。
エンタテインメント作品が「普通の人物が特殊な状況下でがんばる話」だとしたら、この映画は「普通の状況下で少々変わった人物が行動するのだが、かれらはみな自分が変わっているとは思っていない」という、純文学的といってもいいような作品、ともいえるでしょう。

ただし、まだ、今泉監督の演出はこなれていなく、役者たちの心情を演技の上に引き出すのに長廻しを多用しており、それが全体的にまだるっこしく感じるし、登場人物ももう2~3人ほど減らしてもよかったのではないかとも感じられました。

とはいえ、注目監督の習作、出世作という位置づけなので、観ておいてよかったと感じた作品でした。

評価は★★★☆(3つ半)としておきます。

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2021年映画鑑賞記録

新作:2021年度作品: 1本
 外国映画 1本(うちDVDなど 0本)
 日本映画 0本(うちDVDなど 0本)

旧作:2021年以前の作品: 5本
 外国映画 2本(うち劇場鑑賞 1本)
 日本映画 3本(うち劇場鑑賞 0本)←カウントアップ
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この記事へのコメント

ぷ~太郎
2021年01月17日 01:02
今泉監督は私も好きなのでこの作品観てみましたが、やはり初期だからうまくないです。ホントにまだるっこしい。が、監督の「普通の状況下での変わった行動(恋愛行動)をとる人達」を描くという思いは
強く感じられて、それはそれでよかったです。何せ私も、普通の状況下における変人という位置づけで生活しているのですから・・・。
りゃんひさ
2021年01月17日 11:19
>ぷ~太郎さん

うわ、変人とは。