『ポルトガル、夏の終わり』:ほかのひとの人生は、自分の人生の埒外にある @DVD

ポルトガル夏の終わり.jpg

昨年8月公開のフランス・ポルトガル合作映画『ポルトガル、夏の終わり』、DVDで鑑賞しました。
原題は「FRANKIE」、主演のイザベル・ユペールが演じる女優の名前です。
さて、映画。

ヨーロッパの大女優フランキー(イザベル・ユペール)。
ある夏の終わりに、ポルトガルの避暑地シントラを家族とともに訪れていた。
別れた夫とその間にできた息子ポール(ジェレミー・レニエ)、2番目の夫ジミー(ブレンダン・グリーソン)とその連れ子シルヴィア(ヴィネット・ロビンソン)、シルヴィアの夫にティーンエイジャーの娘。
さらには、ニューヨークの撮影現場で懇意になったヘアスタイリストのアイリーン(マリサ・トメイ)。
フランキーがみんなを呼び寄せたのは、彼女の余命が幾ばくもないからで、自分がいなくなったあとも、みんなには幸せになってほしいという願いが秘められていたからだった・・・

といった物語で、フランキーの余命が幾ばくもないことがわかるのは映画中盤になってからなので、前半は、なぜ、みなが一堂に会しているのかはわからない。

背景がわからないなかで繰り広げられる、あまりテンポがいいとはいえない会話劇なので、これはダメだわぁ、というひともいるでしょう。
ですが、背景がわかってくると、かなり面白い。

鉄仮面のような無表情のフランキーの、傲慢さや真逆の弱さといったキャラクターに踊らされているようで、そんなことはない人々。

キャッチコピーは「そして、愛がはじまる。」というものだけれど、ありゃまぁ、このひととあのひととの間で始まるのね。
そんなことは、いろんなことを画策していたフランキーには想定外だっただろう。
(けれど、映画冒頭で、この泉の水を飲めば、生涯の伴侶が得られるのですといった伝説の泉の水を、ふたりは図らずも飲んでいるわけで・・・)

そう、テーマは、「ほかのひとの人生は、自分の人生の埒外にある」ということ。

エンディングは長い長いロングショット。
そこへ流れる音楽は、少し前のシーンでフランキーとジミーがピアノで連弾していたもの。
ジミーは美しい曲だと言い、フランキーは哀しい曲だという。

あるひとからみれば哀しいことでも、別のひとからみれば美しいかもしれない。
ま、「ほかのひとの人生は、自分の人生の埒外にある」のだから、そんなものかもしれない。

主人公以上に、周囲のひとびとがざわついていて、物語が進んでいくあたりは、ある種、小津映画のなにがしかに似ているかもしれません。

評価は★★★☆(3つ半)としておきます。

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2021年映画鑑賞記録

新作:2021年度作品: 4本
 外国映画 3本(うちDVDなど 0本)
 日本映画 1本(うちDVDなど 0本)

旧作:2021年以前の作品:16本
 外国映画12本(うち劇場鑑賞 1本)←カウントアップ
 日本映画 4本(うち劇場鑑賞 0本)
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この記事へのコメント

じゃむとまるこ
2021年02月15日 23:09
こんばんは。
公開時気になっていた映画です。
映像がとてもきれいだし、イザベル・ユペールのための映画と言う感じですね~。
レンタル予定に!
2021年02月16日 10:55
これもすごく気になっていて、悩んだのですが鑑賞スルーした作品です。
やっぱり、見てみたいなぁ。
りゃんひさ
2021年02月16日 21:03
>じゃむとまるこさん

是非ともご覧くださいませ。
りゃんひさ
2021年02月16日 21:03
>トリトンさん

トリトンさん向きかどうかは微妙・・・です。
ぷ~太郎
2021年02月18日 16:21
イザベル・ユペールありきの作品でしたね。彼女のファンには嬉しい映画です。フランキーが亡くなって一番悲しむのは夫です。子供ではない。その夫にも、今はまるでわからないだろうけれど、いずれ新しい伴侶ができて、また幸せになるということがわかるラストはよかったです。これはフランキーと観ている観客にしかわからないことなので、面白かったですね。
りゃんひさ
2021年02月18日 21:14
>ぷ~太郎さん

そうですね。悲しみの中で、美しいものを見つけるのは、フランキーの夫なのかもしれません。