『あなたのそばで明日が笑う』:猫が顔を洗ったような、「それで、どうよ」みたいな・・・ @テレビドラマ

あなたのそばで明日が笑う.jpg

まもなく東日本大震災から10年。忘れない・・・という意を込めての特別企画などがテレビでは目立ってきました。
本作『あなたのそばで明日が笑う』もその1本。
さて。

宮城県石巻に暮らす女性・真城蒼(綾瀬はるか)。
2011年の東日本大震災で発生した津波のため夫(高良健吾)が行方不明になり、現在も見つかっていない。
蒼は、復興住宅でひとり息子と暮らしているが、夫のことはあまり話していない。
けれど、新たな一歩を踏み出そうとしている蒼は、夫が大切に営んできた本屋を再開しようとしていた。
その設計デザインを任されたのが移住者の葉山瑛希(池松壮亮)。
ひと付き合いが苦手な瑛希だったが、被災地の復興の手助けになればと思い、これまでも被災地での活動をしていたのだ。
蒼が思い描く(思い出す)本屋のイメージを語るうち、それは未だ行方不明の彼女の夫の話になり、すこしずつ過去を共有するようになり、そして、蒼から聞いた話を彼女の息子に伝えるようになる・・・

という物語で、物語としては悪くない。

のだけれど、どうにも、猫が顔を洗ったような、「それで、どうよ」みたいなところに落ちついてしまっており、物足りないことこの上ない。

たぶん、いちばんの難点は、瑛希のキャラクターに深みがないことで、石巻に移住してきたといっても、町のことをほとんどわかっていない。
よそ者なので「わかっていない」のは当然なのかもしれないが、町のことを、そこに暮らしていたひとびとのことを感じていない。
これは、「ひと付き合いが苦手」ということが原因ではなく、センシティブさが薄いとしか思えない。

個人的なことになるのだけれど、一昨年、まだ新型コロナなんてことなど露ほども思わなかったときに、石巻の町を訪れたました。
離島へ渡るまでのわずかな時間、駅から港までの道をバスで通っただけでしたが、海沿いの平地にはほとんど建物はなく、わずかながらの店舗があるだけで、人家はみな高台のほうへ移築されていました。
その風景は完成形ではなく、まだ復興途上・・・ そう思わせる雰囲気がありました。

たしかに「ぼくはこの町のことをしらない・・・」と彼が口にするのはわかるのですが、知らなくても何かを感じている、そういう人物でないと、主人公・蒼が彼に心惹かれていくところに説得感がありません。
そこいらあたりが、どうにも「それで、どうよ」って気分になったのだろうと思いました。

魅力的なキャスティングでしたが、うーむ・・・ というのが正直なところです。

評価は★★☆(2つ半)としておきます。

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この記事へのコメント

ぷ~太郎
2021年03月09日 15:25
これ私も観ましたが、いかにものNHKドラマというか何というか。キャスティングはいいんですけどね、もっと突っ込んだ脚本ができなかったのかと不満は多いです。が、NHKですからね、こんなものかと。
まあ、どんなに練った脚本でも、真の辛さは出ないと思うのですが・・・。
りゃんひさ
2021年03月09日 20:31
>ぷ~太郎さん

いかにも! でした。