『パブリック 図書館の奇跡』:主題や狙いに好感は持てるが、全体的にまだるっこしい @DVD

パブリック図書館の奇跡.jpg

昨年夏公開の映画『パブリック 図書館の奇跡』、DVDで鑑賞しました。
監督・脚本はエミリオ・エステヴェス。
俳優としてのキャリアのほか、1986年製作の『ウィズダム/夢のかけら』以降、監督としても何本か撮っていますね。
2006年の『ボビー』では、多くの登場人物が錯綜する群像劇を、たくみにさばいていました。
さて、映画。

米国オハイオ州シンシナティの公共図書館。
公共図書館ということでもあり、常日頃から開館時間帯には多くのホームレスが訪れている。
実直な図書館員のスチュアート(エミリオ・エステヴェス)は、そんな彼らとも顔なじみ。
しかし、館長及び同僚とともに、あるホームレスから、体臭を原因に図書館から追い出したことを理由に訴えられていた。
そんなある日、シンシナティに大寒波が訪れる。
市のホームレス向けシェルターはどこもかしこも満杯となり、行き場を失くしたホームレス70人が閉館時間を過ぎても退館せず、フロアの一角を占拠しはじめてしまう。
スチュアートも騒動に巻き込まれた形だが、彼は自身の過去体験からホームレスに同情し、挙句、開放を訴える役所・警察側から「首謀者」と目されてしまう・・・

という物語。

物語の狙いとしては、ホームレスたちに代表される、下層住民の生きづらさ。
ホームレスの多くは退役軍人だったり、一度のビジネスの失敗で自宅を喪ったひとびとで、市井のひとびとも、ほんの小さなきっかけで、ホームレスに転落してしまう。
シェルターなどのセイフティーネットが十分に用意されているイメージのある米国だが、そのようなセイフティーネット施設の数がまだまだ足りないのが現実のようだ。

そして、役所・警察などから見れば、彼らホームレスは排除すべき存在のようで、マスコミに至っては、ことの真相(深層)よりも表層の面白さを届けられればよい、といったような安直なエンタテインメント志向で、そこいらあたりも映画では痛烈に批判しています。

劇中引用されるスタインベックの『怒りの葡萄』の一節がなかなかの効果を上げているが、ほほぉ、『怒りの葡萄』は中学生での必読書なんですね、米国では。

主題や狙いには共感も好感も持てるのだけれど、演出がまだるっこしく、特にロックアウト事件が起こるまでの登場人物紹介パートがもたもたしていて、作品としての出来は並といったところでしょうか。
20分ばかりは詰めれるように思いました。

評価は★★★(3つ)としておきます。

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2021年映画鑑賞記録

新作:2021年度作品: 9本
 外国映画 4本(うちDVDなど 0本)
 日本映画 5本(うちDVDなど 0本)

旧作:2021年以前の作品:19本
 外国映画14本(うち劇場鑑賞 1本)←カウントアップ
 日本映画 5本(うち劇場鑑賞 0本)
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この記事へのコメント

2021年03月24日 15:31
こんにちは、こちらにも。
私も本作なーんかまどろっこしかったんですよねぇ。期待値が高かったせいもあるのかもしれませんが。
同じエミリオ・エステベスなら「星の旅人」の方が断然良かったです。こちらもし未見であれば是非。
りゃんひさ
2021年03月24日 22:28
>ここなつさん

推薦ありがとうございます。「星の旅人」、未見です。ショップにあれば、是非、です。
ぷ~太郎
2021年03月25日 18:08
う~ん、イマイチ感は逃れられないですね。登場人物のキャラがもっと際立っていた方がいいような気もしますがね。ピザを部屋で同僚と食べるシーンは不要かなと思っていたら、立てこもった後ピザの配達を希望した時の伏線になるのねと、そんな些細な事しか記憶に残りませんでした。
りゃんひさ
2021年03月25日 18:46
>ぷ~太郎さん

そうですね、イマイチ・・・というか、3つほど足りないような。たしかに、前半の伏線的なエピソードが効果的ではありませんでしたね。