『はりぼて』:「この映画こそ日本の縮図」だからこそ、笑って観ているだけではいかないのです @名画座

はりぼて.jpg

久しぶりの名画座2本立て鑑賞です。前回は昨年晩秋の『アングスト/不安』『ポゼッション』、うっ、濃いな。
今回はドキュメンタリー映画。『はりぼて』『プリズン・サークル』の2本立て。
まずは『はりぼて』から。

富山県のローカルテレビ局チューリップテレビ。
ここの看板は報道。
正々堂々ならぬ「正々報道」がキャッチフレーズ。
プロデューサーの砂沢智史、キャスターの五百旗頭幸男が地元市議の「政務活動費」の不正受給に切り込み、結果、大量辞職に追い込んでいく・・・

といった内容。
五百旗頭(いおきべ)、砂沢の両氏が本作の監督を務めている。これまで自分たちが行った取材の結果をまとめ上げた、ということになろう。

「政務活動費不正受給」のやり口としては、

行ってもいない政策報告会の印刷してもいない資料の印刷代を支払ったことにして、
あらかじめ入手しておいた白紙領収書に偽の金額を自身で記入、
確証として偽の資料のコピーを添付する、

というものが大半で、その他には視察を名目としてのカラ出張など。

これが出てくる出てくる、全部で十数人。

政務活動費は「政活費」と略されるが、議員たちはこれを生活費や遊興費にあてていたわけで、いやはやなんとも。

議員の多くは辞職するわけだけれど、「禊(みそぎ)」と称して、有権者の前でお詫び会見、出直し選挙・・・で再び当選、という議員も出てくる。
お詫び会見で許しちゃう有権者も、いやはやなんとも。

ま、出直し再出馬の議員にとっては、「禊」は漢字が示す「神に対する契(やくそく)」ではなく、「濯ぎ(すすぎ)」だな。
洗濯ならば、洗ってすすぐので汚れは落ちるが、洗ってないので汚れは落ちない。

洗わない洗濯をしているが議員ならば、「やっぱり、このひとでいいや」と選ばずに選択しているのが有権者。

軽快で能天気な音楽を背景にして、そんな様子を小気味よくエンターテイメントさながらに映画はみせていくわけですが、「この映画こそ日本の縮図だ!!」との謳い文句どおりだなぁ・・・と考えると、笑って観ているわけにもいかない、という複雑な心境になりました。

評価は★★★★(4つ)としておきます。

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2021年映画鑑賞記録

新作:2021年度作品:12本
 外国映画 6本(うちDVDなど 0本)
 日本映画 6本(うちDVDなど 0本)

旧作:2021年以前の作品:42本
 外国映画30本(うち劇場鑑賞 1本)
 日本映画12本(うち劇場鑑賞 3本)←カウントアップ
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この記事へのコメント

じゃむとまるこ
2021年05月15日 17:32
全員黒というところが何とも・・・・こういう人たちを支えているのは「こんなに謝っているんだから許してあげたら」という有権者だということも描かれていましたね。

日本全体村社会ということがよくわかる映画でした。
りゃんひさ
2021年05月16日 11:23
>じゃむとまるこさん

>こういう人たちを支えているのは「こんなに謝っているんだから許してあげたら」という有権者
というのが、いやはやなんともなところです。
反省・謝罪よりも、その後の行動・変化の方がとても重要なことなんだけれど。
為政者も場当たり的なら、有権者も場当たり的・・・それが日本なのかしらん。