『ビバリウム』:郭公の托卵、クトゥルーのたくらみ @DVD

ビバリウム.jpg

ことし3月にロードショウされた外国映画『ビバリウム』、DVDで鑑賞しました。
すごく観たかった作品というわけではなかったのですが、レンタル店では入り口付近でパワープッシュ。
枚数割引の数合わせのためにセレクトしました。
さて、映画。

交際して長らく経つ若いカップルのトム(ジェシー・アイゼンバーグ)とジェマ(イモージェン・プーツ)。
いずれはふたりのマイホームを持ちたいと思っていた。
そんなある日、ふと訪れた不動産屋では、郊外に開発中の「ヨンダー」という住宅地をお薦めしていた。
どことなく奇妙な不動産屋(ジョナサン・アリス)の案内で向かった先は、同じような緑の郊外住宅が建ち並ぶ場所だった。
人の気配はなく、案内された9番住宅の内見途中で、薄気味悪さを感じたトムとジェマは9番住宅を後にするが、同じような住宅ばかりが並ぶ大規模宅地のせいなのか、いくら経巡っても9番住宅の前に戻ってきてしまう。
そのうち、ガソリンも尽きたふたりは、9番住宅で一夜を過ごすが、翌朝、家の前に段ボール箱に入った赤ん坊を発見する。
そこには「この子を育てると解放される」と書かれてあった・・・

といったところからはじまる物語で、記したあらすじのあたりでだいたい3分の1。

冒頭に樹上の鳥の巣での子育ての様子が描かれ、冒頭、雛が巣から落とされているのをふたりが発見するエピソードから、察しが良ければ「郭公の托卵」をモチーフにしていることに気づく。

郭公は自分たちの巣に卵を産まず、他の鳥の巣に卵を産む。
そして産みつけた巣の親鳥に雛を育てさせる・・・というのが、托卵。

この話には、続きがあって、巣の中では郭公の雛がいちばん早く孵化し、元々の鳥の卵を巣から落としてしまうという習性があり、そのために郭公の雛の背中には元鳥の卵を持ち上げて落とすための凹みがある。
ひえぇぇ。

で、この郭公の托卵をモチーフにしたの映画には、クシシュトフ・キエシロフスキの遺稿をダニス・タノヴィッチが監督した『美しき運命の傷痕』がありますね。

さて、本作に話を戻すと、段ボールに入っていた赤ん坊は、驚くべき速さで成長し、100日余りで10歳程度に成長する。
少年は人間的な感情に欠けており、夜な夜な、奇妙な模様が映るテレビ画面を観ている・・・と展開する。

ま、ネタは郭公の托卵と気づいたものだから、その後の展開は、まだるっこしくて仕方がなかったです。

最終的には、予想どおり。
ただし、郭公の正体は明らかにされず、トムとジェマのふたりにハッピーエンドが訪れるわけではないあたりは悪くはないけれど、『トワイライトゾーン』や『クリープショー』の1話として映像化するのが適切といったところでしょうか。

なお、ビバリウム(vivarium)とは、「動植物の生息環境を再現した飼育・展示用の容器」、ヨンダー(yonder)とは「(ある距離だけ)離れて,遠くに」を意味する古語だそうで、とすると、ラブクラフトの「クトゥルー神話」に通じるところがあるということかもしれませんね。

評価は★★☆(2つ半)としておきます。

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2021年映画鑑賞記録

新作:2021年度作品:30本
 外国映画16本(うちDVDなど 4本)←カウントアップ
 日本映画14本(うちDVDなど 5本)

旧作:2021年以前の作品:61本
 外国映画38本(うち劇場鑑賞 3本)
 日本映画23本(うち劇場鑑賞 5本)
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この記事へのコメント

ぷ~太郎
2021年07月28日 17:14
う~ん、またりゃんひささんの変な好みが炸裂したような映画だったんですね。それにしても好きですね。
りゃんひさ
2021年07月28日 21:47
>ぷ~太郎さん

チャンシルさんよりは面白かったです!