『天河伝説殺人事件』:唯一の浅見光彦シリーズの映画化だが・・・ @DVD

天河伝説殺人事件.jpg

1991年製作の市川崑監督作品『天河伝説殺人事件』、DVDで鑑賞しました。
いま頃、何を?って感じのセレクションですが、ここんところ昼のBS放送で、榎木孝明が浅見光彦に扮するシリーズが放送され、2本ほど観ました。
ならば、唯一の映画はいかがなものか、というわけでの鑑賞です。
さて、映画。

新宿の高層ビル街でひとりの男性が急死、男の手には三角形の奇妙なお守りめいたものが握られていた。
同じころ、田園調布の水上流能宗家の邸宅では、宗家息子の追善能と跡目争いが持ち上がっていた。
また、同じころ、奈良県の山深い天川村では、巫女と若い男性との道ならぬ恋が萌え盛り、ほど近い吉野町の田舎道では、野鳥の死骸を拾った浅見光彦(榎木孝明)が密猟者と間違われ、巡査に職務質問を受けていた・・・

といったところからはじまる物語で、4つの場面のナレーションを石坂浩二が行っている。
石坂浩二の役どころは? というのもひとつの興味だが、原作である内田康夫の浅見光彦シリーズを読んだり、ドラマを観ていれば、察しが付く。

新宿で起こった事件は、死んだ男が手にしていた奇妙なものは、天川村に古くから伝わる天河神社の御守り『五十鈴』であり、天河神社は芸能神を奉る社であり、毎年夏に水上流の薪能が奉納されることで冒頭の4つの出来事が繋がってい生きます。

浅見光彦は、大学の先輩(伊東四朗)からの斡旋で能についての記事を書くこととなり、取材として天川村を訪れ、天川荘という宿に泊まることになる。
その宿の女主人を演じているのが岸恵子

というわけで、観客は「わかった! 犯人は・・・」と金田一シリーズの加藤武扮する警部ならば、手を叩くところであり、その加藤は新宿角筈署の定年間際の警部として金田一シリーズそっくりそのままで登場する。
ちなみに、天河神社の宮司は大滝秀治、そのほか、岸田今日子、常田富士男といった金田一シリーズの常連俳優が登場しています。

映画は、ストーリー的には早々に犯人も因縁話も察しが付くので大したことはなく、見どころは撮影と編集のテンポといったところで、いつもながらテンポの良い編集はいいとしても、撮影はこの映画にはミスマッチ。
横からの凝った照明で陰影を深くし、影の部分を強調、さらに銀残し風の現像で色彩を抑えて、能の幽玄さを出そうとしたのだけれど、90年代の華やかさ・軽妙さが消えてしまい、現代的部分と山深い寒村と能の幽玄できらびやかな部分の3つの対比が消えてしまっている。
さらに悪いことには、主人公・浅見光彦の好青年部分を殺してしまい、ときおり、下品なネズミに似た風貌で映し出されている。

また、事件の謎解きが終わったあと、10分ほど続くエピソードが蛇足感があり、歯切れも悪くしているように感じました。

評価は★★★(3つ)としておきます。

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2021年映画鑑賞記録

新作:2021年度作品:31本
 外国映画17本(うちDVDなど 5本)
 日本映画14本(うちDVDなど 5本)

旧作:2021年以前の作品:63本
 外国映画39本(うち劇場鑑賞 4本)
 日本映画24本(うち劇場鑑賞 5本)←カウントアップ
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