『レディ・マクベス』:ブルードレスの下には赤い血潮が渦巻いている @DVD

レディ・マクベス.jpg

昨年10月に公開された『レディ・マクベス』、DVDで鑑賞しました。
2016年製作の英国映画。
『ミッドサマー』がスマッシュヒットしたので、同作主演のフローレンス・ピューの出世作ということで急遽輸入されて公開されたもよう。
DVDには「17歳の欲望」の副題が添えられています。
さて、映画。

19世紀後半の英国。
17歳のキャサリン(フローレンス・ピュー)は、牛一頭ほどの牧草地とともに買われた形で裕福な家に嫁いだ。
家は、老いた当主と中年にさしかかった一人息子、それに何人かの召使。
キャサリンを娶った息子はキャサリンに関心を抱かず、夫婦の営みもまるでない。
そんな、当主と夫が商用で家を空けることになったある日、キャサリンは、夫に打擲された若い使用人セバスチャン(コズモ・ジャーヴィス)に誘惑され、肉体関係を結んでしまう・・・

といったところからはじまる物語は、『チャタレイ夫人の恋人』のヤング版焼き直しかと思われたが、原作はロシアの小説だそうな。

陰鬱な雰囲気漂う画面とフローレンス・ピューの抑圧され心底に恐ろし気な想いを潜ませている表情と演技に注目して観つづけると、物語は思いがけない方向へと進んで行きます。

夫よりひと足早く戻ってきた老当主は毒キノコに中り死んでしまう。
多分に事故なのだが、キノコを採取してきた黒人女中は、目の前で当主が死んだことにショックを受け、口が利けなくなってしまう。
(女中は、当主にケダモノ同然の侮辱を受けていたので、毒キノコであることを知っていたかもしれない。ただし、死に至るほどとは思っていなかった、とも考えられる)

当主不在となり、セバスチャンと密会を続けるキャサリンだったが、ある夜更け、情事の最中に夫が帰ってきてしまう。
慌てて情人の身を隠すが、夫はキャサリンの不倫には端から気が付いており、詰り侮蔑をするが、激昂したキャサリンは火掻棒で撲殺してしまう・・・

と、タイトルどおりシェイクスピアのマクベス夫人同様、拭っても拭っても手は血で染まっていきます。

血塗られたキャサリンには、さらに悲劇の影が忍び寄ります。

夫の死体をセバスチャンと土中に埋めたキャサリンは、夫が輓き連れてきた芦毛馬も殺して埋め、行方不明を取り繕います。
が、ある日、幼い少年を連れた中年の黒人女性が邸にやって来、幼い少年は夫が娘に産ませた子どもで、邸の正当な後継者はこの少年だと告げます。
正式な書類も揃っている・・・

仕方なく少年と幼い少年を邸に受け容れるキャサリン。
そして、少年もキャサリンを慕い、キャサリンも少年を可愛がるのでしたが、キャサリンには妊娠の兆候が・・・
血まみれの手は拭っても拭ってもまさに拭いきれず、子どもを宿したキャサリンは、腹のわが子を邸の主にしたいという母親としての欲望が湧いてくる。

ポスターにもある青いドレスで長椅子に腰かけたキャサリンは邸の女主人。
ブルードレスの下には赤い血潮が渦巻いています。

物語的には何度もお目にかかったような話ですが、フローレンス・ピューの畏るべしい演技で、終盤にいくほど怖さが増してきました。

評価は★★★☆(3つ半)としておきます。

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2021年映画鑑賞記録

新作:2021年度作品:32本
 外国映画18本(うちDVDなど 6本)
 日本映画14本(うちDVDなど 5本)

旧作:2021年以前の作品:65本
 外国映画41本(うち劇場鑑賞 4本)←カウントアップ
 日本映画24本(うち劇場鑑賞 5本)
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この記事へのコメント

ぷ~太郎
2021年08月18日 16:12
りゃんひささんのレビューを読んで、意外と面白い作品なのかもしれないとは思いましたが、いかんせん、あの「ミッドサマー」の女優さん、好きではないのですよね。なんかふてぶてしいというか、。だからこそこの作品にはうってつけだったのでしょうね。
りゃんひさ
2021年08月18日 17:58
>ぷ~太郎さん

ま、若いのに「ふてぶてしい」雰囲気が彼女の持ち味だと見抜いた映画ともいえます。