『ハッピー・バースデー 家族のいる時間』:まっぴらごめん、な「フランス家族あるある」 @DVD

ハッピー・バースデー家族のいる時間.jpg

ことし1月に公開されたカトリーヌ・ドヌーヴ主演のフランス映画『ハッピー・バースデー 家族のいる時間』、DVDで鑑賞しました。
原題「FÊTE DE FAMILLE」(家族の祝祭日)が示すように、ドヌーヴを取り囲むひとびとを含めての家族群像です。
さて、映画。

フランス南西部、自然に囲まれた旧邸。
母アンドレア(カトリーヌ・ドヌーヴ)の誕生日に家族が集うことになった。
邸に暮らしているのは、夫のジャン(アラン・アルキュール)と、前夫との間にできた長女の子エマ。
集まってきたのは、しっかり者の長男ヴァンサン(セドリック・カーン)の家族、妻マリーとふたりの息子。
次男ロマン(ヴァンサン・マケーニュ)とアルゼンチン出身の恋人ロジータ。
それにエマの恋人の黒人少年。
アンドレアの長女クレールは現れない・・・

といったところからはじまる物語で、クレールは心を病んで入退院を繰り返し、3年前に新しい恋人とともアメリカに渡ったが、5ヶ月ほど前に姿を消し、いまでは行方不明だからだ。

そんな折、クレールから電話が入る。
近くの街道沿いの店にいる、迎えに来てほしい、と。
迎えに出たヴァンサンがみたクレール(エマニュエル・ベルコ)は、やはり精神が不安定で、家に着くなり、ポルトガルの田舎町でペンションを始める、ついては、この邸の自分取り分20万ユーロを渡してほしい、と喚きはじめ、アンドレアの誕生パーティが台無しになりはじめる・・・と展開します。

とにかく、個人主義的フランス家族とはこんなものかしらん?と思わせるほど、日本人が頭に描く幸せな家族像とはまるで離れている。

それを監督のセドリック・カーン(長男役ですね)は、長廻しを主体にして撮っていきます。
映画監督志望の次男ロマンが引き合いに出す小津安二郎の演出スタイルにはまるっきり似ていないあたりが、日本人としては困惑するが。

映画の中心は、徐々に長女クレールに移っていき、混乱に拍車をかけるのがだらしないこと極まりない次男ロマンで、ヴァンサンの自動車を無断借用して、逃げ出したロジータを追っかけるまではいいが、大麻でラリって事故まで引き起こす。
事故現場からは、ヴァンサンの電話番号を残して、さっさと逃げ帰るし・・・

まぁ、フランスでは「あるある」な家族の風景・一コマなんだろうけれど、わたしとしては、まっぴらごめん、関わりになりたくなんざぁござんせん。

終盤、孫たちが演じる寸劇がちょっとした見どころで、家族を先導してきたのは母親アンドレア、その母親を船長に見立てた寸劇なのだが、船員としてヴァンサンとロマンは登場するけれど、クレールは登場しない。
劇の台本はクレールの娘エマの手によるものだが、エマからは「家族」がこのようにみえるということだろうか。

最後に、家族としての希望のようなもの、安直なハッピーエンドは描かれず、そこいらあたりもフランス映画らしいです。

よく出来た映画というわけではないけれど、フランスらしさは存分に感じられる映画でした。

評価は★★★(3つ)としておきます。

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2021年映画鑑賞記録

新作:2021年度作品:55本
 外国映画33本(うちDVDなど14本)←カウントアップ
 日本映画22本(うちDVDなど 7本)

旧作:2021年以前の作品:79本
 外国映画54本(うち劇場鑑賞 4本)
 日本映画25本(うち劇場鑑賞 5本)
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この記事へのコメント

ぷ~太郎
2021年11月05日 18:51
私もこんな家族はまっぴらごめんですが、この作品が作られたということはフランスではよくある家族の風景なんでしょうね。日本人が「寅さん」を観て「あ~、さくらやおいちゃんの気持ちわかるな~」と言う感じに似ているというか、フランス人はこの作品を観て、「わかるわ~」と思って笑ったり頷いたりするのでしょうね。
りゃんひさ
2021年11月06日 22:12
>ぷ~太郎さん

たぶんフランスの観客は「わかるわ~」とフランス語で呟いていると思います。