『騙し絵の牙』:とにかく面白いことは面白い。主演女優賞は松岡茉優に決定だね @DVD

騙し絵の牙.jpg

ことし3月にロードショウされた映画『騙し絵の牙』、DVDで鑑賞しました。
もともとは昨年2020年だったけれども、コロナカで公開が延期されたものです。
原作は、塩田武士の同名小説(未読)。
主人公には大泉洋であて書きしたらしく、映画でもピタリとハマっていました。
さて、映画。

100年以上続く名門大手出版社「薫風社」。
創業一族の社長が急逝、次期社長を巡る権力争いが勃発。
しかし、もっとも大事(おおごと)なのは、出版業界を巡る状況。
右肩下がりの出版業界では生き残るだけでも精一杯。
そんな中、新社長・東松(佐藤浩市)がカルチャー雑誌「トリニティ」の新編集長に抜擢したのは速水輝(大泉洋)。
文芸誌「月刊薫風」をリストラされた若手女性編集者・高野恵(松岡茉優)を拾い上げ、こともあろうか、大物小説家・二階堂大作(國村隼)を漫画原作と引き抜いた。
さらには、「月刊薫風」がボツにした謎の新人作家の作品「バイバイを言うとちょっとだけ死ぬ」を拾い上げ、イケメンの作家(宮沢氷魚)を見つけ出し、グラビアアイドル的に売り出していく。
雑誌「トリニティ」は好調にみえたが・・・

という物語。
とにかく豪快出演陣で、話が転がる転がる。
前半、もっとも笑わせるのが、高野とワインを餌に二階堂を釣り上げるエピソード。
写っていないが、速水のしたり顔が想像されて可笑しい。

物語は、その後、イケメンの作家の新作の、「月刊薫風」と「トリニティ」との間での争奪戦となり、獲得した「月刊薫風」の記者会見の場での本人による偽物告白、一気に「月刊薫風」の休刊へと発展。
さらに、「トリニティ」のもうひとつの人気企画の主・人気モデルの城島咲(池田エライザ)が自己防衛の果てとはいえスキャンダルを起こし、「トリニティ」も崖っぷちへ・・・

その後も二転三転して終局を迎えるのだけれど、とにかく面白いことは面白い。

ですが、ちょっとだけ不満も。

物語の根本には、面白いことが好きな編集ビジネスマン・速水vs.本を愛する編集者・高野の図式があるだろうけれど、そこいらあたりは、ちょっとあやふや。
両者とも、一応の勝ち(価値)を収めるが、どうもこれとても、あぶくのようなものかもしれない・・・と、そんなところは感じさせてくれない。
そんな一方で、去り行く東松へ思い入れたっぷりな演出があって、いくつかちぐはぐ感がなきしもあらず。
ここいらあたりが、吉田大八監督を信用できないところ。

役者陣では、原作あて書きの大泉洋は同然だろうが、松岡茉優が抜群に上手い。
主演女優賞は彼女に決定だね、といいたいところです。

なお、「バイバイを言うとちょっとだけ死ぬ」とは、レイモンド・チャンドラーの『長いお別れ』の中の名セリフ、「さよならを言うことは少しのあいだ死ぬことだ」のもじりですね。

評価は★★★★(4つ)としておきます。

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2021年映画鑑賞記録

新作:2021年度作品:50本
 外国映画30本(うちDVDなど13本)
 日本映画21本(うちDVDなど 7本)←カウントアップ

旧作:2021年以前の作品:75本
 外国映画50本(うち劇場鑑賞 4本)
 日本映画25本(うち劇場鑑賞 5本)
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この記事へのコメント

ぷ~太郎
2021年11月05日 18:24
途中から先が読めてしまう感じでしたが、面白かったですね。大泉洋が活き活きと演じて良かったのは、あて書きだったからでしたか。あとは確かに松岡茉優はうまかったですね。この人、何を演じてもそれなりにやってのけますね。役者としてもの勘がいいのでしょう。
りゃんひさ
2021年11月06日 22:17
>ぷ~太郎さん

そうですね、途中から先が読めてしまう感は無きにしも非ずでしたね。松岡茉優は、やはり役者としてもの勘がいいのだと思います。