『鬼龍院花子の生涯』:鬼龍院政五郎の半生 @東映70周年特集上映

鬼龍院花子の生涯.jpg

1982年公開の日本映画『鬼龍院花子の生涯』、東映70周年特集上映で劇場鑑賞しました。
「なめたらいかんぜよ」のセリフが有名。
大ヒットしましたが、観ていなかったので、この機会にと。
さて、映画。

昭和15年、大阪のうらぶれた遊郭でひとりの女性が死んだ。
その女性の行方を捜していた、こざっぱりとした婦人が死んだ女性の名前を警察官に告げる。
「鬼龍院花子」と・・・

といったところからはじまる物語で、こざっぱりとした婦人を演じているのが夏目雅子、ありゃりゃ、夏目雅子が鬼龍院花子じゃなかったのね。

映画は、その夏目雅子演じる女性が、鬼龍院家にもらわれていくところから回想の形式で始まります。

大正十年、土佐のある町に越してきた子だくさんの商売屋。
目をかけてもらおうと考えた商売屋の主人は、子どものいない町の大親分・鬼龍院政五郎(仲代達矢)のところへ里子に出そうと決めた。
はじめは男の子を出す予定だったが、商売屋のところへやって来た政五郎は、年長の娘・松恵(仙道敦子)に目を付けたのだった・・・

そうか、夏目雅子の役名は鬼龍院松恵なのね。

で、松恵の眼をとおしての鬼龍院家興亡が描かれるわけで、実質的な主役は政五郎である。

気風だけでのし上がったような親分で、とにかく気性が荒い。
ヤクザなのだが、弱気を助ける侠客だと思ってい、女性については男の付属物だと思っている。

大正から昭和初期にかけての話だから、御維新の気配が残った中の明治初期に生まれた男というのはこうだったのだろう。

剛毅な男を仲代達矢がテンション高く演じていて、観ているとかなり疲れてきます。

対する松恵は、大正になってから生まれた子ども。
男のいいように扱われ、蔑ろにされる女性の中では、頭もよく、学問を志し、新進の気風もあるが、政五郎のような男も受け入れてしまう。
どこかアンビバレンツな感じがします。

蔑ろにされる女性は枚挙がなく、政五郎の妻・歌(岩下志麻)、花子を産み、後に政五郎の妾になるつる(佳那晃子)など。
そして、もっとも蔑ろにされるのが花子(長じてから演じるのは、高杉かほり)。
蝶よ花よと育てられた結果が、政五郎の没落とともに、哀れに死んでしまう。
歌やつる、政五郎の好敵手・末永(内田良平)の妻(夏木マリ)などは、男をいくらか利用している節もあるけれど、花子にはその才覚すらなく哀れの極致であろう。

映画は、重厚な美術も含めて画面の力が際立っており、政五郎に勢いのあるうちはそれなりに面白く観れるが、終盤、歌が死んだあたりから失速。
政五郎の弱り目に祟り目となってからは、仲代達矢のハイテンション演技がつらくなってきました。

それでも見ごたえは十分、東映文芸映画路線を決定づけた映画でもあるので、この評価にしておきます。

評価は★★★★(4つ)。

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2021年映画鑑賞記録

新作:2021年度作品:69本
 外国映画42本(うちDVDなど17本)
 日本映画27本(うちDVDなど10本)

旧作:2021年以前の作品:104本
 外国映画75本(うち劇場鑑賞 6本)
 日本映画29本(うち劇場鑑賞 7本)←カウントアップ
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