『バーディ』:ぼくは、いま、飛んだんだよ @DVD

バーディ.jpg

1984年製作のアラン・パーカー監督作品『バーディ』、買い置きDVDで鑑賞しました。
初公開時に観て以来なので30年数年ぶりの鑑賞です。
観てみようと思ったきっかけは、先ごろ観た『草の響き』で本作のラストを思い出したからです。
さて、映画。

ベトナム戦争が泥沼化する米国。
顔に大けがを負った兵士が帰還する。
彼の名は、アル(ニコラス・ケイジ)。
彼がいま向かっている先は、故郷フィラデルフィアに近い海軍病院。
そこに、高校生時代からの親友バーディ(マシュー・モディン)が入院しているからだ。
しかし、再会したバーディは精神病棟の一室の隅でものも言わず、身をすくませてしゃがみこんでいるだけだった。
アルはバーディに、あの日のことを思い出せ、と呼びかけるが、一向に反応がない・・・

といったところからはじまる物語で、病室でのふたりの様子と並行して、故郷で過ごした60年代の様子が、それぞれの回想形式で綴られていきます。

バーディと出会った頃のアルの回想からはじまり、前半はほとんどアルの回想です。

鳥を可愛がり、自身も空を飛ぶことを夢見ていることから、バーディと呼ばれる少年。
最後まで、バーディの本名は明かされません。
この点は、ひとつの肝かもしれません。

アルの眼からみたバーディのナイーブで、しかしながら時折大胆になる様子が描かれますが、病室でのバーディの様子はほとんど変わりません。

が、中盤、回想の主体がバーディへと切り替わります。
病室での行動に変化はなかったけれど、精神には変化が表れている。

そこで描かれるのは、バーディが心の底から鳥になりたかったこと。

カーニバルの夜、アルとのダブルデート。
バーディは一向に相手の娘の方に向かず、ひとりで鳥の話をしている。
そして、プロムの夜、相手の女性から迫られたにもかかわらず無反応で自宅に帰って来、愛するカナリアの檻の中で空を飛ぶ夢を見る・・・
ここでの飛翔を主観で描いたシーンが素晴らしいです。

そして、愛するカナリアが部屋から逃げ、自由に羽ばたき、戻ってきた時に、ガラス窓に激突するシーン。
このショック。
自由になることの代償のような、ある種のパニッシュメントのような。

ラスト、アルは、幾分の正気を取り戻したバーディとともに檻のような病室から逃げ出します。
屋上に逃げるふたり。
屋上の縁から大きく飛び立つバーディ・・・

このラストは、観るひとによって感じ方が変わるかもしれませんが、「どうしたの?」と振り向くバーディの笑顔は、「ぼくは、いま、飛んだんだよ」と言っているように思えました。

評価は★★★★(4つ)としておきます。

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2021年映画鑑賞記録

新作:2021年度作品:68本
 外国映画41本(うちDVDなど17本)
 日本映画27本(うちDVDなど10本)

旧作:2021年以前の作品:93本
 外国映画67本(うち劇場鑑賞 4本)←カウントアップ
 日本映画26本(うち劇場鑑賞 5本)
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