『情婦マノン』:傑出したシーンはあるものの、ロベールとマノンの物語がどうにもねぇ @DVD

情婦マノンDVD.jpg

1948年製作のフランス映画『情婦マノン』、買い置きDVDで鑑賞しました。
18世紀のフランス文学、プレヴォの『マノン・レスコー』を、時代を第二次大戦中から終戦直後に移して映画化したものです。
さて、映画。

第二次大戦終戦後、多くのユダヤ人を密航している貨物船。
船倉のユダヤ人をチェック中の船長らは、ユダヤ人とは別のひと組の男女を発見した。
男(ミシェル・オークレール)の名はロべ-ル、女(セシル・オーブリー)の名はマノン。
船長を前に、ふたりは過去を物語る・・・

といったところからはじまる物語で、ふたりの物語が回想形式で描かれ、それがプレヴォの小説『マノン・レスコー』の物語の現代版となります。

ふたりが出逢ったのは終戦間近な1994年。
男を上げるためにレジスタンスに加わっていたロべ-ルは、ドイツ兵相手に売春を行っていた廉で村人たちにリンチに遭っていたマノンを助ける。
若くて小さく、か弱いマノンにひと目で惚れてしまったロベール。
時節をわきまえずに贅沢な暮らしに憧れ、そんな暮らしから逃れられないマノン。
終戦後、闇屋をしているマノンの兄を頼ってパリへ出る。
しかし、魔都パリはマノンの贅沢への気持ちを大きくするばかりで、地道なロベールを他所に、マノンは高級娼館で働き始める・・・

という物語は、はっきり言って、つまらない。

どうして、こんな女にのぼせ上っちゃったかなぁ、馬鹿だねぇ、とロベールに同情する気も起らない。
それぐらい、いま観るとつまらない。

が、そんなつまらない物語が、貨物船が砂漠近くの港へ着いてから俄然おもしろくなります。

ユダヤ人一行は、彼らが安全に暮らせる町を目指して、無蓋トラックで運ばれていくのだが、ロベールとマノンもその一行に加わる。
しかし、トラックが砂漠の途中で故障。
一行は歩いて行かねばならなくなります。
途中、小さな泉に立ち寄り、もうここから一歩も動きたくない、というマノン。
ここは楽園、とも言う。

ロベールとマノンは、アダムとイヴなのか。

だが、そんな小さな泉で暮らせるはずもなく、再び歩き出した一行を襲ったのが、砂漠の民。
銃を撃ち、金品を奪うのだ。
マノンも撃たれてしまう。
瀕死のマノンと支え、寄り添い、楽園にみえた泉を目指して歩むロベール。
しかし、マノンの命は尽きてしまう。
マノンの亡骸を抱きかかえ、そして、背中に背負って砂漠を進むロベール。

すごい、凄まじい画である。
当時の衝撃は如何ばかりか、想像に余りある。
それが1949年のヴェネチア国際映画祭グランプリでしょう。

泉に到着することは無理と悟ったロベールは、マノンの亡骸を砂の中に埋めることを決意。
砂の中から出たマノンの顔は美しい。
これが、あの悪女の顔なのかと思うほどの美しさ。

終盤はアンリ=ジョルジュ・クルーゾー監督のリアリズムとペシミズムと美的感覚が集約された傑作シーンです。

なんだけれど、やはり本編部分、ロベールとマノンの物語がつまらないんだよなぁ、と思う映画でした。

評価は★★★☆(3つ半)としておきます。
情婦マノン(ポスター).jpg

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