『獲物の分け前』:サイケとモダンと東洋趣味の不思議な魅力 @録り置きVHS

獲物の分け前.jpg

1966年製作のフランス映画『獲物の分け前』、録り置きVHSで鑑賞しました。
96年に当時加入していたケーブルテレビで放映されたもので、不思議なことに、シネスコ画面をスクイーズ(左右を圧縮して)放送していました。
なんだか画面比率がヘンテコだなと気づき、シネスコ再生することで、元の画面サイズに戻りました。
こんなこともあるんですね。
さて、映画。

パリ郊外の邸宅で暮らす、まだ若いルネ(ジェーン・フォンダ)。
実業家の夫(ミシェル・ピッコリ)とは20以上も年が離れており、夫に付き従って社交の場に同席はするが、夫婦仲は良くはない。
邸宅には、先妻との息子、大学生マクシム(ピーター・マッケナリー)が同居している。
マクシムは年上のルネに関心を示し、ルネも次第にマクシムへの熱情が隠せなくなる・・・

といったところからはじまる物語で、お話としてはそれほど面白いものではなく、エミール・ゾラの中編小説を現代に置き換えて映画化したものらしい。

話は面白くないが、60年代当時のサイケデリックな風物がふんだんに取り込まれているので、それがいま観ると面白い。
サイケ風風物の他には、モダンアートや東洋趣味が前面に押し出され、そこいらあたりが中盤までの見どころ。

また、監督のロジェ・ヴァディムが当時のお相手だったジェーン・フォンダを美しく撮ろうとしており、レース越しの裸体や白いショートパンツの股間や、歪んだマジックミラーに映ったラブシーンとさまざまに工夫しています。
(いまは、老齢で、父親のヘンリー・フォンダそっくりになっているジェーンだが、このときはかなり美しい)

映画は終盤、

全財産の放棄を条件に夫と離婚したルネであったが、肝心のマクシムは父の事業の手助けとにと、銀行家の娘(ティナ・オーモン。ティナ・マルカン名義)と婚約してしまい、ルネは狂ったように屋敷の外を彷徨し、庭の池に身を投げてしまう。
死にきれなかったルネは、婚約発表の仮想パーティに乱入、見かねた元夫が「話がある」と言って階上の居間に誘い出すが、ルネはそのままその部屋に残されてしまう。
絶望に打ちひしがれたルネを、逆ズームで撮った後、ルネのアップで映画は唐突に終わる。

このエンディングは、その唐突感もあり、印象的で、ルネという女性の愚かさ・哀れさが表わされている。
(この愚かさ・哀れさは、ゾラの原作にあるものだろうか)

というわけで、いま観るとなんてぇことのない内容なんだけれども、ある種の面白さもあって、そこそこ面白かったです。

なお、原題の「La curée」というのがどういう意味かわからなかったので、調べてみたところ、「狩猟の際、獲物の一部を猟犬に分け与える場」という意味だそうな。
ここでいう獲物はルネで、父子で分け合ったということですね。

評価は★★★☆(3つ半)としておきます。

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2022年映画鑑賞記録

新作:2022年度作品: 0本
 外国映画 0本(うちDVDなど 0本)
 日本映画 0本(うちDVDなど 0本)

旧作:2022年以前の作品: 4本
 外国映画 4本(うち劇場鑑賞 0本)←カウントアップ
 日本映画 0本(うち劇場鑑賞 0本)
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