『追想』(2018年):原作者による脚色が裏目に出たか @DVD・レンタル

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シアーシャ・ローナン主演の『追想』、DVDで鑑賞しました。
若き実力派女優として、既に3度のアカデミー賞ノミネート歴がある彼女ですが、個人的にはちょっと苦手なタイプの女優さんなので、主演賞ノミネート作品の『ブルックリン』『レディ・バード』は未見。
ですが、この映画、観ようと思ったのは、原作がイアン・マキューアンという点。
『つぐない』が良く、原作の『贖罪』も面白かった。
今回は、彼が脚本も担当していますが・・・
さて、映画。

1962年の夏。
風光明媚な英国ドーセット州チェジル・ビーチのホテルを訪れた新婚夫婦エドワード(ビリー・ハウル)とフローレンス(シアーシャ・ローナン)。
初々しいふたりは、はじめての夫婦関係を持つまで、それまでのことを思い出す・・・

というところから始まる物語で、ぎこちないふたりのやり取りの間に描かれるこれまでのことで、ふたりの身分の違い、立場の違いが描かれていきますが、とにかく長い。
懇切丁寧といえばそうなのかもしれないが、くどくどしく、まだるっこしい。

ようやく結婚初日の破局が描かれるのが、映画も4分3を過ぎたあたり。
その後の展開は早いが、今度は逆に何も描かれていない。

原作者のイアン・マキューアンが脚本も兼ねているが、自作を可愛がったのかどうか、映画的に脚色できていないとしか思えませんでした。
小説で読むと、その端折り方なんかがいいのかもしれないけれど。

少なくとも破局は中盤より前に持ってきて、その後のエドワードの彷徨を描かないと、謳い文句にある「一生忘れられない恋だった」は活きてこない。
ま、この謳い文句、日本だけのものかもしれないが。

良いところは、小石が長く砂州状に連なるチェジル・ビーチの風景。
終盤、回想で描かれる破局のシーンの、どんよりとした空模様とか、画的に素晴らしい。
また、最終カットのふたりが別れるビーチのロングショットも、ワイド画面を活かして効果的。

原題は「ON CHESIL BEACH」。
原作本の邦訳タイトルは『初夜』だが、さすがにそのままの映画タイトルを付けるのは勇気がいったようで、過去に2作ほどある『追想』なるタイトルを付けたのはいただけない。
原題どおり、「チェジル・ビーチにて」あたりでも良かったのでは。
謳い文句は、「あのとき歩いた、小石だらけの浜辺は忘れない・・・」ぐらいかなぁ。

評価は★★★(3つ)としておきます。

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2019年映画鑑賞記録

新作:2019年度作品:59本
 外国映画49本(うちDVDなど 6本)
 日本映画10本(うちDVDなど 1本)

旧作:2019年以前の作品:63本
 外国映画49本(うち劇場鑑賞12本)←カウントアップ
 日本映画14本(うち劇場鑑賞 3本)
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