『ナポリの隣人』:幸せは、帰るべき家である @DVD・レンタル

ナポリの隣人.jpg

ことし初めに岩波ホールで公開された『ナポリの隣人』、DVDで鑑賞しました。
岩波ホール上映作品もリリースされるのが早くなり、嬉しい限りです。
さて、映画。

南伊の街、ナポリ。
自身が所有するアパートで独り暮らしている初老の元弁護士ロレンツォ(レナート・カルペンティエーリ)。
妻を亡くし、娘エレナ(ジョヴァンナ・メッゾジョルノ)、息子サヴェリオ(アルトゥーロ・ムセッリ)との関係は悪い。
そんなある日、向かいの部屋に二人の子どもを持つ夫婦が越してくる。
妻のミケーラ(ミカエラ・ラマッツォッティ)、夫のファビオ(エリオ・ジェルマーノ)とも打ち解け、失いかけていた家族との絆のようなものを疑似的にではあるが感じるようになった矢先、事件が起こる・・・

といったところから始まる物語だが、事件が起こるあたりで映画の中盤。
前半で、ファビオがいささか情緒不安定気味な感じも描いていることから、なにがしかの事件が起こることは予測できるので、事件が起きるまでの描写がいささか長くて諄(くど)いようにも感じますが、映画は中盤から俄然、面白くなる。

事件は、ファビオは幼い子どもふたりと妻ミケーラを殺害し、自身も自殺するというショッキングなものだったが、ミケーラは辛くも死を免れる。
ベットで機器に接続されて命を繋ぐミケーラ。
ロレンツォは、彼女の父親と偽って病床のミケーラを見守り続ける・・・と展開する。

この事件をきっかけにして、ロレンツォと亡き妻、娘、息子たちとの間に何があったのかがわかる語り口は上手く、安易に回想シーンなどを用いないあたりがヨーロッパ映画的。
自宅アパートに帰らなくなったロレンツォを気にかけたエレナが、元愛人のもとを訪ねた際に、元愛人が彼のことを悪し様にいうエピソードなど、人物描写が深い。
最終的には、エレナはロレンツォのこと(過去のこともも含めて)を許容するのだが、いわゆる大仰な再生物語という感じでなく、そのあたりもリアリティがある。

映画冒頭に「幸せは、到達すべき目標でなく、帰るべき家である」という意味の詩の一節が出るが、それが身に沁む映画でした。

評価は、★★★★(4つ)としておきます。

------------------
2019年映画鑑賞記録

新作:2019年度作品:94本
 外国映画72本(うちDVDなど16本)←カウントアップ
 日本映画22本(うちDVDなど 6本)

旧作:2019年以前の作品:78本
 外国映画53本(うち劇場鑑賞14本)
 日本映画25本(うち劇場鑑賞10本)
------------------

"『ナポリの隣人』:幸せは、帰るべき家である @DVD・レンタル" へのコメントを書く

お名前
メールアドレス
ホームページアドレス
コメント

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。