『ラスト・ディール 美術商と名前を失くした肖像』 :悪くはないが、肝心な点がどうも・・・ @ロードショウ

ラストディール.jpg

3月上旬から上映されている『ラスト・ディール 美術商と名前を失くした肖像』、ロードショウで鑑賞しました。
前置きはなしで、さて、映画。

舞台はフィンランド。
長年、町で美術商を営んできたオラヴィ(ヘイッキ・ノウシアイネン)。
しかし、ここ最近は客足も少なく、そろそろ潮時かと考えていた。
そんなある日、やり取りの少なくなった娘から、孫のオットーの課外職業体験を引き受けて欲しいと連絡がある。
オットーは問題を起こしたので、他に引き受け手がいないからだという。
なし崩し的にオットーに仕事を手伝わせていたそんなとき、近々オークションに出品される予定の無署名の肖像画に目を奪われる。
これは、近代ロシア美術の巨匠レーピンの作ではないか・・・

といったところから物語で、副題のとおり、美術商と無署名の肖像画を通して、家族の物語が描かれていきます。

監督は『ヤコブへの手紙』のクラウス・ハロ
丁寧な演出で魅せていきます。
しっとりとしたカメラもいいです。

美術商というのは一種のマニアみたいなもので、美術品への愛着がことのほか深く、それが妻との関係をこじらせ、結果、娘とも交流がなくなってしまった。
そこいらあたりは、よくわかる。
好奇心は猫を殺すが、好事家心は家族を壊す。

で、無署名の肖像画を通して、孫との信頼関係が芽生え、再び娘とも・・・となるのだけれど、その肖像画に対する扱いがあまりプロっぽくないのが致命的。

巨匠の絵かどうかの決め手は、古い美術書に絵の写真が掲載されていることだったり、無署名の理由はマニアでプロならば知っていて欲しかった。

ここに決定的な穴があるので、オラヴィが絵にこだわる動機が、大仕事・大きな取引(ビッグ・ディール)にしかみえず、これではただの山っ気老人。
やはり、失われた絵画、それも愛着ある作家のもの・・・というあたりに決着してほしかった。

なので、オラヴィの最期も、通り一遍の可哀想に落ち着いてしまいました。

悪くはないが、画竜点睛を欠く映画になったかなぁ。

評価は★★★☆(3つ半)としておきます。

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2020年映画鑑賞記録

新作:2020年度作品: 28本
 外国映画20本(うちDVDなど 1本)←カウントアップ
 日本映画 8本(うちDVDなど 0本)

旧作:2020年以前の作品: 27本
 外国映画15本(うち劇場鑑賞 2本)
 日本映画12本(うち劇場鑑賞 0本)
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