『ライフ・イットセルフ 未来に続く物語』:信頼できる、できまい、いずれでもあっても、それが人生 @DVD

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昨年晩秋にTOHOシネマズ・シャンテなどでロードショウされた『ライフ・イットセルフ 未来に続く物語』 、DVDで鑑賞しました。
監督は、テレビドラマ『THIS IS US/ディス・イズ・アス』のダン・フォーゲルマン
といっても、ドラマは観ていない。
気になったのでフィルモグラフィをチェック。
『カーズ』(2006)、『ボルト』(2008)、『塔の上のラプンツェル』(2010)とディズニーアニメの脚本を手掛け、その後、『ラブ・アゲイン』(2011)、『人生はノー・リターン 僕とオカン、涙の3000マイル』(2012)と劇映画の脚本を書き、劇場用映画の監督はこの作品が2本目のよう。
挙げた作品はいずれも鑑賞していて、いずれも面白かったのを記憶しています。
さて、映画。

米国ニューヨーク。
脚本家志望のウィル(オスカー・アイザック)は精神科医モリス(アネット・ベニング)のもとに通っている。
というのも、大恋愛の末に結ばれた妻アビー(オリヴィア・ワイルド)を突然の事故で亡くしたためだ。
妊娠していた妻のお腹にいた子どもは奇跡的に助かり、ふたりが好きなボブ・ディランに因みに、ディランと名付けられ、ウィルの両親に預けられた。
しかし、アビーの死だけでなく、悲劇は続く・・・

といったところからはじまる物語で、第一章・・・と字幕が入って始まるのだけれど、冒頭で、こりゃひどい映画にぶち当たったかしらん?と思ってしまいました。

というのも、サミュエル・L・ジャクソンが務める「信頼できない語り手」が騒々しく、なんだかハナシが混乱しているようにしか見えないから。
だが、それもそのはずで、ウィルが書く、実体験を反映した下手な脚本という設定だから。
うーむ、この設定必要だったのかなぁ。
なんだか、鬼面人を嚇す的で、観る側を混乱させたり、げんなりさせたりするだけのように思うけれど。

その後、映画は、成長したディラン(オリヴィア・クック)を語り手にして第二章へ、そして、アビーの事故を接点として、事故を目の当たりにした幼いスペイン人男児の両親の話が第三章として描かれていきます。

ふたつの家族の物語を複雑に絡ませ、そして、人生は悲劇に満ちている、しかし、癒しも希望も存在している・・・

この映画で感じたのは、ディケンズ的とでもいえばよいのか、そんなものを感じたのだが、雰囲気のよく似た映画を思い出しました。

それは、クリント・イーストウッドが2010年に撮った『ヒア アフター』、東日本大震災のさ中にロードショウされていた映画です。
東南アジアで津波に襲われた女性主人公と、事故で双子の兄を亡くした弟(ロンドンで暮らしている)が、ひとりの霊能者を介して、最後にめぐり会う物語。
そのめぐり会う場所が、ディケンズの小説の読書会・・・

悲劇と癒しと希望、それに終局が読書会というのも、この映画との類似点を感じましたが、いかがなものかしらん。

こちらの『ライフ・イットセルフ』で、物語的に深みがあり、興味深かったのは第三章から登場するスペイン人夫婦の物語。
よくある話だけれども、誠実な一組の夫婦が、子どもが事故を目撃したことでPTSDになり、夫婦仲が壊れていく・・・
雇い主が援助を申し出るのだが、夫は雇い主と妻との関係に不信を抱く・・・
雇い主でオリーブ畑の地主であるサチオーネを演じたアントニオ・バンデラスの演技も深く、スペイン人夫婦を演じたセルヒオ・ペリス=メンチェータライア・コスタも上手い。
また、スペインでの風景をうつしたカメラも冴えていました。

人生は、なにがどうなるか信頼できないかもしれないが、それでもその中に信頼できるものは含まれている・・・
なにせ、わたしは、人生そのものだから! 
そういう映画ですね。

評価はで★★★★(4つ)としておきます。

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2020年映画鑑賞記録

新作:2020年度作品: 36本
 外国映画28本(うちDVDなど 7本)
 日本映画 8本(うちDVDなど 0本)

旧作:2020年以前の作品: 50本
 外国映画30本(うち劇場鑑賞 2本)←カウントアップ
 日本映画20本(うち劇場鑑賞 0本)
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