『沈黙の女 ロウフィールド館の惨劇』:派手さはないがジワリと恐ろしさを感じるサスペンス映画 @DVD

先に観た『甘い罠』に続いて、クロード・シャブロル監督作品、1995年製作の『沈黙の女 ロウフィールド館の惨劇』 、DVDで鑑賞しました。
前置きなしで、さて、映画。
フランスの田舎町での物語。
町から少し離れたところに館を構えるジョルジュ(ジャン=ピエール・カッセル)。
共に暮らしているのは、元モデルで後妻のカトリーヌ(ジャクリーン・ビセット)と、カトリーヌの連れ子で高校生の息子ジル。
家族はもうひとり、ジョルジュと先妻との間の娘で大学生のミリンダ(ヴィルジニー・ルドワイヤン)は離れてひとり暮らしをし、ときどき館を訪れる。
そんな冬のある日、カトリーヌは新しい家政婦ソフィー(サンドリーヌ・ボネール)と面接し、雇い入れることにした。
真面目で善良そう、掃除も料理も完璧にこなすソフィーだったが、口数は少なかった・・・
といったところからはじまる物語で、ソフィーに何らかの秘密があることが観客に示される。
ソフィーの秘密は、30分ほどでわかるのだが、彼女には識字障害があり、をれをひた隠しにしていたことがわかる。
それからもうひとつ・・・
そして、ひょんなことから知り合った町の郵便局の事務員ジャンヌ(イザベル・ユペール)と意気投合するようになるが、ジャンヌには、幼い娘を事故でうしなった過去があったが、その事故は故意ではなかったとの嫌疑がかけられていた・・・
いわゆる派手派手しいサスペンスではないが、物語の根底に、貧困や偏見などで虐げられた女性の怨念のようなものが横たわっていて、それが最後に、惨劇という形で爆発する。
こういう社会的な物暗さ、陰湿さというのは、ヒッチコック映画で登場する病理的な陰鬱さというのとは違っており、シャブロル監督が「フランスのヒッチコック」と呼ばれるのに、個人的には違和感を覚えるもとになっているのでしょう。
人間の内面を表現するかのように、鏡に映る像を用いた演出が多く使われています。
派手さはありませんが、ジワリと恐ろしさを感じるサスペンス映画でした。
原作はルース・レンデルの『ロウフィールド館の惨劇』です。
評価は★★★★(4つ)としておきます。

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2020年映画鑑賞記録
新作:2020年度作品: 36本
外国映画28本(うちDVDなど 7本)
日本映画 8本(うちDVDなど 0本)
旧作:2020年以前の作品: 54本
外国映画34本(うち劇場鑑賞 2本)←カウントアップ
日本映画20本(うち劇場鑑賞 0本)
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