『アフリカの女王』:当時は「人気俳優の冒険コメディ」という位置づけだったんでしょう @DVD

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先ごろ『勝利の朝』を観たので、ほかにキャサリン・ヘップバーン主演で観れそうな作品はないかしらんと思ってレンタルショップを睥睨してみましたが、意外と旧作のラインナップは貧弱。
みつけたのは、この『アフリカの女王』。
むかし、テレビで何度か放映されていたように記憶しているのですが、観ていませんでした。
ならば、ということで、チョイス。
さて、映画。

欧州で第一次世界大戦が勃発したころのアフリカ・コンゴ。
宣教師の兄と赴任し、現地人に布教活動をしていた中年独身女性のローズ(キャサリン・ヘプバーン)。
しかし、ある日、ドイツ軍が村を掠奪し、宣教師の兄はその際に死んでしまう。
残されたローズに道はなかったのだが、引き取られた先は飲んだくれの蒸気船船長チャーリー(ハンフリー・ボガート)。
彼の仕事は、蒸気船「アフリカの女王」号を使って村々に食糧や郵便をくばることだったが、ローズは、川の下流の湖に碇泊しているドイツ砲艦ルイザを撃沈して一矢を報いたいとチャーリーに願い出るのだった・・・

といったところからはじまる物語で、原作はC・S・フォレスターの同名小説、当時のベストセラー。

第二次世界大戦が終わってしばらくした1951年の製作なので、ドイツ軍を悪役にするにしても第二次大戦では生々しぎるということからなのか、ひとつ前の戦争を題材にしているあたりが良識的。

物語の大半は、ローズとチャーリーの船上での掛け合いで、ふたりの演技はスタジオを撮られ、背景にはアフリカでの実写を投影していることがありありとわかります。
で、このスタジオ撮りとアフリカでの実写シーン(遠景が多い)とを編集で冒険活劇に仕立てるのは、当時としての常とう手段なのだけれど、とにかく、それぞれの撮影がうまく、「冒険活劇っていうのは、これぐらいの余裕がある方がいいんだよなぁ」と思ってしまう。

ヘプバーンとボガートの掛け合いは、ほとんどコメディのようで(というか、コメディとして撮ってるのだが)、ヘプバーンは戦前からコメディも得意だったが、ボガートとしては新境地だったかもしれません。

字幕の表現を借りると、「骨ばったアーメンばあさん」であるヘプバーンとのやり取りは、『或る夜の出来事』のようである。
笑わせるのは、ふたりが初めて結ばれるエピソードで、事を終えた翌朝、ひとりで前夜の余韻を楽しみつつ狸寝入りしているチャーリーのもとに、ローズが目覚めのお茶を持ってくるシーン。
ここんところは、オールドミスだったローズが、「もう一回いかが」と誘っているわけで、当時は、赤面&爆笑のシーンだっただろう。

もうひとつ、ヘプバーンがある種のお色気女優だったことを示すエピソードが、激流を乗り越えた「アフリカの女王」号のスクリューが破損したのを修理するシーンで、チャーリーとともに水に潜ったローズが船上に這い上がろうとジタバタするシーン。
ここでもヘプバーンは骨ばった素足を水面に持ち上げて観客にサービスしています。

というわけで、この映画、「名優ふたり」の冒険もの、というよりは、「人気俳優の冒険コメディ」という側面が強く、結末もすっとぼけたものとなっています。

いやぁ、これぐらいスケールも大きく(なにせ、本場アフリカでロケしているだしね)、人気俳優のコメディが観れて、ハラハラゲラゲラできるんだから、こりゃやはり名作ですね。

評価は★★★★☆(4つ半)としておきます。

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2021年映画鑑賞記録

新作:2021年度作品:35本
 外国映画20本(うちDVDなど 8本)
 日本映画15本(うちDVDなど 5本)

旧作:2021年以前の作品:69本
 外国映画44本(うち劇場鑑賞 4本)←カウントアップ
 日本映画25本(うち劇場鑑賞 5本)
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