『歩いても 歩いても』:ちょっと間に合わない、家族の道理:Myムービー掲載

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新たなホームドラマの秀作といえよう。
是枝裕和監督作品は『誰もしらない』『ワンダフルライフ』しか見ていないのだが、これほど上手く家族の群像を描けるとは恐れ入った。

レビュータイトルに挙げた「ちょっと間に合わない」というのは、巻末近くで、実家から帰っていく途中で呟く阿部寛のセリフ。
予告でも使われているのだが、何に間に合わないのかといえば、ほんの些細な事柄。
喉元まで出てるのだけれど、思い出せない相撲取りの名前。

実は、予告を観たときに、この「ちょっと間に合わなんだよなぁ、いつも」というセリフで想起したのは、『東京物語』。
末弟の大坂志郎が母親の死に目に間に合わなかったセリフを想起したのだ。

『東京物語』を想起したのは、そのほかに、長女のYOUが帰途途中で、『死んだ人より、生きている人の方を気にかけて欲しいよねぇ』というセリフもそう。
杉村春子を思い出す。

この『歩いても 歩いても』でも、『東京物語』でも、家族の核心は死んだ息子。
『東京物語』では、次男である原節子の夫。この映画では長男である。
その不在の存在が、過去のわだかまりを動かしていく。

長男の十数回目の命日に寄り集う家族。
楽しげでおかしくて、やがて哀しき何とやら・・・・である。

たくさんの家族が寄り集うことで楽しげにしている母・樹木希林は、長女YOU一家が帰るともに、その心に秘めた恨みうらみを吐露していく。
少々やりすぎな感もなきにしもあらずだが、歳を経た母親とはそういうものだ、と一緒に観た妻はいう。

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タイトルにある『歩いても 歩いても』がかつてヒットした歌謡曲の一節であることが判り、夕食の席で流れる時、みんな口をつぐんでしまうシーン。
その後の、阿部寛が妻の夏川結衣に「お前にも心に秘めた曲があるのか」と問うても、「教えない」と答えるあたり、そう、みんな何かを心に抱いている。

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その心の抱いているものは、親と子の間、夫婦の間で、全て理解し納得することは出来はしない。

理解した、と思うころ、それは、常にちょっと間に合わないし、それが家族の道理でもあろう。

全体評価として★4つ。阿部寛、上手くなったなぁ。

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<追記>
家族で集ったときの「やがて哀しき何とやら・・・」が辛いのも判るが、「おかしくて・・・」のときも結構無理してるんだよねぇ。
この映画を観て、お盆に帰省するのを取りやめるひとが出なけりゃいいのですが・・・。

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