『彼女が消えた浜辺』:彼女について知らない二、三の事柄 @ロードショウ・ミニシアター

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久しぶりのイラン映画です。
イラン映画といえば、アッバス・キアロスタミ、モフセン・マフマルバフ、マジッド・マジディなどの監督の諸作からも判るとおり、静かで独特なリズムがあります。
ですが、この映画は、これまでのイラン映画の趣とは、かなり異なります。

3家族でのバカンス旅行。
離婚暦のある末弟のお相手にと、長兄の嫁が知り合いの保育士の女性をバカンス旅行に誘います。
その旅行の最中、その保育士の女性が消えてしまいます。
幼い子どもたちの面倒をみているうちに、波に飲み込まれたのか、それとも黙って帰ってしまったのか・・・

女性の行方をキーとして、残された面々の心理の変化を丁寧に描いていきます。
そして、女性の身辺について、誰も意外と知らなかったことを。

ニックネームは知っているが、本名は知らない。
実は彼女には婚約者がいたのだけれど、婚約者とは別れたがっていたこと等々。

サスペンスに満ちた撮り方ともいえますが、浜辺でのバカンスという舞台でありながら、何か非常に息苦しい感じ、閉塞感を感じるようになってきます。
繰り返される波の音が原因かもしれません。

人間に隠されたミステリで息苦しいのではなく、中東では進歩的開放的なイランにおいても、まだまだ不自由な女性の立場が、知らず知らずのうちに醸成されているのかもしれません。

不思議な感じの映画です。
評価としては★3つとしておきます。

<追記>
クリスティの名作『そして誰もいなくなった』をもじって「そしてひとりいなくなった」とレビュータイトルをつけようかとも思いましたが、ちょっと方向性が違うので止めにしておきました。



最近観たミニシアター映画のレビューはコチラから
⇒『悲しみもミルク
⇒『トゥルー・グリット
⇒『パリ20区、僕たちのクラス
⇒『英国王のスピーチ
⇒『ヤコブへの手紙
⇒『しあわせの雨傘
⇒『ハーブ&ドロシー アートの森の小さな巨人
⇒『人生万歳!』
⇒『クリスマス・ストーリー
⇒『Ricky リッキー
⇒『永遠の語らい
⇒『アンナと過ごした4日間
⇒『シングルマン
⇒『ルイーサ
⇒『ニューヨーク、アイラブユー
⇒『バグダッド・カフェ


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2010年映画鑑賞記録

 新作:2010年度作品
  外国映画37本(うちDVD、Webなどスクリーン以外 9本)←カウントアップ
  日本映画13本(うちDVD、Webなどスクリーン以外 1本)

 旧作:2010年以前の作品
  外国映画73本(うちDVD、Webなどスクリーン以外72本)
  日本映画21本(うちDVD、Webなどスクリーン以外19本)
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