『英国王のスピーチ』:風格感じる人間ドラマ、アカデミー賞も当然 @ロードショウ・シネコン

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これはズルイ映画である。
王様という雲の上の(ような)ひとを弱点のある人間としてして描いていて、その弱点を克服していくのが主題であるのだから。

ズルイといったのは、『ハリー・ポッター』のような、「一見凡才「実はポテンシャルはあるんだから。秘めた力はあるんだから」といった、まさしくファンタジー的構図の裏返しで、英国王室を魅せるところにあります。

雲の上、に設えられた場。
そこに上がり、鎮座するためには、出自もともかく、人間としての魅力が必要。
そのために(というか人間的魅力を獲得するために)格闘する映画であります。

すなわち、主役の吃音のバーティは、英国王室において次男。
まぁ、いえば、少々厳しい躾をされていても、所詮は次男。
家督を継ぐとは、心底では思っていません。

でも、そこは良家の王室。次男であるがゆえに苛められて(矯正・強制されてもありますか)、それが故のコムプレックス。

このある意味イイカゲンなオトコが、職務・役割を果たすべく、男となる映画です。

そう見ると、この映画、すこぶるつきの面白さです。

特に前半3分の1程度に登場する吃音バーティが、言語療法士ライオネルのトリックの元で「To Be ,or not To BE....」と『ハムレット』の一節を淀みなく読み上げるシーン。
このトリッキーさは、クライマックスの「スピーチ」に現れます。

英国国民に向けたスピーチは、まさに、友人に語るがごとし。
そして、スピーチは友人が指揮するがごとし。
しかしながら、自信を感じた吃音バーティは、いつしか自分のリズムで、自分の言葉の加減で、国民に伝えます・・・

うーん、これがとてもいいのです。

ここにある駄目押しがさらに泣かせます。

英国王となった吃音バーティのふたりの娘、エリザベスとマーガレット。
末娘のマーガレットがいいます。
「はじめはヨレヨレだったけれど、途中から持ち直したわ」と。

へへへへ、こういうのがなくっちゃ、一級の人間ドラマではないですよ。

評価はトーゼンにして☆5つです。
全国のシネコンで公開されているが、非常にうれしく思います。


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2011年映画鑑賞記録

 新作:2011年度作品
  外国映画 4本(うちDVD、Webなどスクリーン以外 0本)←カウントアップ
  日本映画 2本(うちDVD、Webなどスクリーン以外 0本)

 旧作:2011年以前の作品
  外国映画 1本(うち劇場 0本)
  日本映画 0本(うち劇場 0本)
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