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zoom RSS 『しゃべれども しゃべれども』:追記「火焔太鼓」と「饅頭こわい」

<<   作成日時 : 2007/05/31 22:52   >>

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妻が「原作での落語は「火焔太鼓」ではないんだって」と、どこかで仕入れてきたことを告げたので、「じゃぁ、どうしてその二つの噺なのか」と思って、映画のシーンを思い浮かべた。

--<以下ネタバレを含んでいます>--

劇中小学生の猛虎亭優が演ずる「饅頭こわい」は桂枝雀師匠のそれである。

優が演ずる動作で印象的なのは、
饅頭を怖がる男を部屋に残して饅頭を放り込んで彼が「きゃぁぁバタバタきゃぁぁバタバタ」とするところの動作と、
饅頭を放り込んだはいいが意に反して部屋の中が静かなので「襖をそぉぉっと開けて覗き込む」ところの動作である。

「きゃぁぁバタバタきゃぁぁバタバタ」の動作は優自身の心の高揚そのものであり、
「襖をそぉぉっと開けて覗き込む」動作は自分が演ずる落語が観客にどのように感じられているかを覗き込むことである。
特に覗き込む相手は、ライバルの宮田くんである。もう、それはそれ興味津々なのである。

対して、三つ葉が師匠の噺に惹かれ、さらに五月が惹かれて懸想し打ち明ける際に演ずる「火焔太鼓」で印象的なのは、
小僧が汚れた太鼓の埃を払うのに、「どぉんどぉん」と初めは遠慮がちに、そしてそのうち「どんどこドン、どんどこドン、どんどこドンドン」と快活に太鼓を鳴らす動作である。

この太鼓は、三つ葉と五月のそれぞれのそれまで鳴らなかった心の象徴と捉えるのが良いだろう。
自分の心を鳴らすとともに、相手の心にも響いていく「どぉんどぉん、どんどこドンドン」である。

平山監督は、心の変化がその動作を通して表現できるような噺を選んだのだと思うのだが、いかがだろうか。

 

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内 容 ニックネーム/日時
まさしく、それぞれがそれぞれにふさわしい落語を選んで演じているのがこの映画だと思う。
三つ葉の「饅頭こわい」は誰の心も動かさなかったが、枝雀師匠のそれは小学生の優にとって必要な落語となり、三つ葉の心に火をふきこんだ師匠の「火焔太鼓」は、三つ葉の中で完熟し、それを聞いた五月にとっての必要な落語となった。
これらの落語の所作が、それを演じる人物の心の動きと重なるところは、この映画のうまいところにほかならない。
ぷ〜太郎
2007/06/04 21:28

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