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『グリーンフィッシュ』『ペパーミント・キャンディー』『オアシス』のイ・チャンドン監督の最新作を公開初日に観ました。 なかなか心の整理が付かなくて・・・という訳で少し遅れてのレビューです。 イ・チャンドン監督の前2作では、宗教的な事柄を扱っているわけではないのに、宗教的な感じがするシーンが印象に残っています。 『ペパーミント・キャンディー』でのラスト、ムン・ソリと出逢うまだ無垢な頃のソル・ギョングを包む柔らかな光。 『オアシス』でも、独り残され部屋で座り込むムン・ソリに、斜めから差し込む陽のひかり、それに綿毛のようにキラキラときらめく埃の反射。 (もしかしたら『グリーンフィッシュ』にもあったかもしれませんが、残念ながら忘れています。) 本作品でも、ラストで、ひと筋のひかりが希望を暗示するのは同じです。 ただし、ひかりが差す先は、ヒロインのチョン・ドヨンではありません。 このラストカットは重いとも、想いとも受け取ることができます。 ストーリーは・・・ 夫を交通事故で失い、「密やかな陽のひかり」という名の夫の故郷・密陽に戻ってきたチョン・ドヨンは、一人息子を誘拐され殺害されるという悲劇に見舞われます。 自暴自棄の彼女を救ったのは小さな街のキリスト教会でした。 事件のショックの反動から、宗教の救いに自らの救済を得たかのように思えましたが、刑務所で面会した犯人は、彼女の知らぬ間に同じく神から救済され穏やかな心となったと、彼女に告げます。 ここまでの描写は、田舎町の人々の詮索好きなようすや、逆に都会から来た彼女への嫉妬や怜悧など、それほど目新しいものではなく、丁寧に丁寧に撮っていきます。 また宗教にのめり込む彼女のさまは、少々誇張しすぎではないかと思うほどです。 さて、犯人が「神の赦しを得た」といった後の展開は、これまで韓国映画では余りみたことがない展開となります。 裏切った神への、彼女なりの復讐の物語となっていきます。 しかしながら、いくら裏切った神に復讐しようとしても、神は応えず、沈黙するのみです。 このように、神の不在・沈黙・裏切を全面に押し出したあたりが、前2作とは大きく異なっています。 では、彼女が救われることはないのかというと、そうではありません。 いつも傍らに居て、朴訥だけれどお節介なソン・ガンホの存在が、救いのひとつです。 そして、もうひとつは、「髪は片方だけ切って美容室を出てくるのは、頭がヘンだよねぇ」と、冗談交じりに言われた言葉に、素直に、反射的に笑ったチョン・ドヨンのちょっとした心の余裕が救いの端緒なのでしょう。 ラストシーンは、自宅の庭で、長く残ったもう片方の髪を自ら切ろうとするチョン・ドヨン。 そして、彼女が髪を切りやすいように、彼女の正面で鏡をもつソン・ガンホ。 映画のショットにはありませんが、チョン・ドヨンの眼には、鏡に写る自分の姿と、鏡を持つソン・ガンホの姿が映っているはずです。 そんな二人から、カメラはユックリとパンして、庭の片隅の汚れた水溜りを撮します。 そこには、ひと筋のひかりが、まばゆく差しているのです。 希望のひかりに気づくか否か・・・・ 中盤、若干紋切り型の演出が目に付き、少々辟易とするにはしましたが、やはり、手ごたえを感じる力作と評価するとともに、チョン・ドヨンの熱演とソン・ガンホの控えめな演技を評価して、★4つとします。 ↓Myムービーのレビュー&採点はコチラから↓ http://info.movies.yahoo.co.jp/userreview/tyem/id330101/rid22/p1/s0/c1/ ↓チラシ画像↓ ↓DVDはコチラから↓ ↓イ・チャンドン監督作品DVD↓ |
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