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zoom RSS 『トウキョウソナタ』:寓意が寓意にならないもどかしさ

<<   作成日時 : 2008/09/27 23:24   >>

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『LOFT』あたりから黒沢清の新作についていこうかどうか迷っているのだけれど、やっぱい新作を観てしまった。

今回のテーマは「不協和音家族」。おぉ、最近のホラーとは一線を画すじゃないの。

へへへへへへ、うーむ、って感じの作品になってしまった感じ。

東京(のどこか不明な、でも都心からそ離れていない場所)に暮らす夫婦と二人の子供からなる家族の物語で、それぞれに家族に言えない秘密がある。

香川照之の父親はリストラをされて、家長としてのプライドから切り出せない。
長兄は過大な幻想から米軍に入隊する。
末弟は両親に隠れてピアノを習おうとする。
母親は母親で、これまでの生活を是とすることに疑問を感じている。

まぁ、両親の秘密はありきたりなので、映画の面白さは演出如何に係わってくるのだが、前半はすこぶる面白い。
物語は平凡でも、演出が寓意的であるから。

例えば、リストラされた翌日、出勤途中の人波に戸惑う父親の図や、同じくリストラされたかつての同級生(津田寛治)とのやり取りなど、目を見張るものがある。
いくつかのシーンでは図らずも笑いを誘ってしまう。

しかしながら、後半、その平凡な物語を寓意的に撮って来たものが、寓意と誇張の上塗りになってしまう。

役所広司の押し込み強盗のシーンからである。

ありそうな日常をぶち壊して闖入する異物の寓話。
それまで、寓話から離れて、最も日常に近い存在であった母親・小泉今日子までも、薄っぺらい寓話(もしくはウソくさい物語)に引き摺り落としてしまう展開に、唖然と、かつ辟易してしまった。
(だって、映画に突然「ガイアの夜明け」の役所広司が闖入するのだから)

この役所の登場ととも描かれる破綻したエピソードには、むむむむむ、である。

多分に、家族のバラバラさ加減を誇張するように描きたかったのだろうと想像するのだけれど、明らかに、別物の映画のようになっている。

寓意的意図を描くにしても、描かれている家族がかなり個性的で色が強いのだから、対照的に色がないようなキャスティングにしないと、壁壁です。

巻末、末弟の「月光」を弾くエピソードでいくらか持ち直すのだが、ちょいとあざとい。

上手い監督だったら、その直前の、家族が再び参集しての朝ごはんの場面で巧みに表現していると思うのだが。

黒沢清監督は、ホラーを含めて、寓話志向が強いのように思われるが、意外と寓話の展開が下手であることに、今回、いまさらながらに気づいた次第である。

本作品の脚本は、黒沢清監督も含めて3人が担当しているが、もしかして、役所広司が登場してからのエピソードを黒沢監督本人が書いてたりして・・・
だとしたら、致命的な気がするなぁ。

前半★4つ、後半2つで総合評価は★3つ。

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