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zoom RSS 『クリスマス・ストーリー』:独特なスタイルで描く、血は水よりも濃し @ロードショウ・ミニシアター

<<   作成日時 : 2010/12/15 13:43   >>

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2011年1月に休館が決まった恵比寿ガーデンシネマで、アルノー・デプレシャン監督作品『クリスマス・ストーリー』を鑑賞しました。
割引などのない平日にも係わらず、8割以上の入りで、少々出遅れたりゃんひさは、かなり前方の席で鑑賞することとなりました。
それはさておき、映画のハナシ。

クリスマスに集まったフランス家族のある話です。
原題では「un conte」(英語タイトルでも「a story」)と表現されているとおり、普通の物語と表現されていますが、いえいえ、それほど一般的ではありません。

父親は染色業を営み、かなり成功しているといえます。母親はカトリーヌ・ドヌーヴ。
若い頃、第一子を白血病で亡くしており、その下に長女、次男をもうけ、第一子がなくなった後に三男をもうけました。
その子供たちも、もう四十の峠を越え、三人とも人生の真っ盛りです。

長女は劇作家として成功し、夫も名通った物理学者。思春期の息子が情緒不安定なのが気がかり。
ただし、この情緒不安定なのは、劇作家の母親譲りかもしれません。

次男は画商のような・・・ちょっと正体不明。
かつて劇場経営に手を出して、多額の借金を抱えてしまい、借金の肩代わりと引き換えに、長女から縁切りを言い渡されてしまいました。
幼い頃からはみ出し者のところがあり、借金事件が決定的になったわけです。
また、酒癖も悪く、それも家族からはみ出す一因となっています。

三男は美しい妻との間に二人の息子をもうけて幸せそのもの。
ですが、かつて、妻を巡って、いまは画家である従兄となにやら曰くがあったようす。

そんなとき、母親のドヌーヴが骨髄性白血病であることが判明して・・・・
一家が集まることになるわけです。

そこで繰り広げられる確執を、過去の出来事を織り交ぜて、独特のスタイルでデプレシャン監督は描いていきます。

三男が生まれるまでを、影絵仕立てで描いたり、人物の紹介を子供の頃の写真と字幕(インサートタイトル)を使って始めてみたり。
また、何月何日というのを画面左上に小さくインサートタイトルで示して、画面に中央には、その日を象徴する言葉を映して、物語を始めます。
いずれも、舞台劇の何幕何場、といった感じです。

その他ちょっと驚かされたのは、画面を丸く縁取って始めるアイリス・インや、その逆に丸く画面を閉じていくアイリス・アウトの多用です。
古典的手法で、近頃とんとお目にかかりませんでした。
(大林宣彦監督作品では使用されることがありますけれど)

本来は、エピソードの開始・終了で使う手法なのですが、それを、垣間見る気持ちや、登場人物の類似性を示すのに使っています。
垣間見る気持ちは、重要な手元をアイリス・インで映して。
登場人物の類似性は、病気を告げられたドヌーヴと、ショックを受ける夫を同じアイリス・インで始めたり、といった具合に。

この独特のスタイルで、この映画が好きか嫌いかが分かれるところでありましょう。

そして物語も一応の結末は迎えるのですが、それが判りやすいハッピーエンドや悲劇の形をとっていないのも、好き嫌いが分かれると思います。

初めてデプレシャン作品に接したりゃんひさは、一応「好き」としておきますが、音楽の使い方も含めて、ちょっと饒舌すぎるところは気になるところ。

評価としては★4つとしておきます。

<追記>
物語の舞台となるルーベの街は、デプレシャン監督の出身地でもあります。

最近観たミニシアター映画のレビューはコチラから
⇒『悲しみもミルク
⇒『トゥルー・グリット
⇒『パリ20区、僕たちのクラス
⇒『英国王のスピーチ
⇒『ヤコブへの手紙
⇒『しあわせの雨傘
⇒『ハーブ&ドロシー アートの森の小さな巨人
⇒『人生万歳!』
⇒『Ricky リッキー
⇒『永遠の語らい
⇒『アンナと過ごした4日間
⇒『シングルマン
⇒『ルイーサ
⇒『ニューヨーク、アイラブユー
⇒『バグダッド・カフェ
⇒『彼女が消えた浜辺


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2010年映画鑑賞記録

 新作:2010年度作品
  外国映画45本(うちDVD、Webなどスクリーン以外11本)←カウントアップ
  日本映画23本(うちDVD、Webなどスクリーン以外 5本)

 旧作:2010年以前の作品
  外国映画90本(うちDVD、Webなどスクリーン以外89本)
  日本映画22本(うちDVD、Webなどスクリーン以外20本)
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フランス映画界を代表する錚々たる面々が一同に会し、クリスマスに集まったとある大家族の愛憎物語を描き出した家族ドラマであり人間ドラマだ。『隠された日記 母たち、娘たち』が記憶に新しい大女優カトリーヌ・ドヌーヴを筆頭に『潜水服は蝶の夢を見る』のマチュー・アマルリックやアンヌ・コンシニらの夢の競演に引き込まれる。監督は『キングス&クイーン』のアルノー・デプレシャン。 ...続きを見る
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『クリスマス・ストーリー』。。。 ※ネタバレ有
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2010/12/24 01:43
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コメント(3件)

内 容 ニックネーム/日時
こんばんは、
いつもTBありがとうです。
2度やってみましたがどこにもTB入らないですね??
mig
2010/12/15 22:50
migさん、ご迷惑をおかけしました。
TB,コメントとも、りゃんひさの承認操作後に画面反映することになっています。
これに懲りずに今後ともご贔屓くださいませ。
りゃんひさ
2010/12/18 22:38
デプレシャン監督の作品は初めてでした。
好みかというと、う〜ん、難しいところではありますが、決して嫌いではない。
一つ言えるのは、観た直後より、後からぐっとくる作品の持ち味かなということでしょうか。
ぷ〜太郎
2010/12/23 23:28

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