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zoom RSS 『静かなる男』:大らかなアイルランド魂と広大な風景 @リバイバル・単館系

<<   作成日時 : 2014/10/08 21:26   >>

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ジョン・フォード監督生誕120年記念として『駅馬車』とともにリバイバルされている『静かなる男』。
『駅馬車』は中学生の頃にNHK教育テレビの「世界名作劇場」で観たが、この作品は観ていなかったはず・・・と、いうことでサービスデイに鑑賞しました。
ありゃ、この終盤の殴り合い・・・あっ、観てた、この映画!
ですが、すっかり忘れていたのは、この単純なストーリーが中学生には不満に思えたのかしらん。
さて、映画。

アメリカで成功した青年ショーン・ソーントンが、アイルランドの鄙びた小村にやってくる。
彼は幼い頃、この村で成長し、一家ともどもアメリカに移住したのだった。

馬車で村へ戻ってくる途中、彼はひとりの赤毛の女性を見初める。
彼女はメアリー・ケイト、ショーンが暮らした隣家の娘。
男兄弟の面倒をみていて、気性は荒い。

ショーンは彼女に求婚するが、彼女の兄レッド・ダナハーはウンといわない。
ようようの末、結婚にこぎつけたが、ちょっとしたイザコザがあって、レッドはメアリー・ケイトに持参金を持たさなかった。

持参金がないのは恥、結婚も正式認められないアイルランドの風習から、メアリー・ケイトは腕づくででもぶんどって欲しいとショーンをけしかけるが、彼は暗い過去から決して暴力はふるわないと心に決めていた。
愛想を尽かしたメアリー・ケイトは、ショーンの許から離れるべく、駅に向かうのであった・・・

と、まぁハナシはこんな感じ。
2時間10分もつような大層なハナシではないのだけれど、これをジョン・フォードは巧みな演出で魅せていきます。
この観せ方、ひとくちでいうならば「わいわいがやがや、ふふふのふ」といったところ。

登場人物みながおせっかいだったり、世話焼きだったり、とにかく集まってがやがやするのが好きな感じ。
で、ふふふのふ、というのは、へへへのへ、といってもいいような感じで常に笑いが絶えない。

この大らかさ、鷹揚さが(オールドファンには)いいんですねぇ。
逆にいえば、若いひとには、ユルすぎるかもしれませんが。

で、いちばんジョン・フォードの演出が冴えるのは、クライマックスの殴り合い前。
出奔覚悟で列車に飛び乗ったメアリー・ケイトをショーンが腕づくで引き戻していく場面。
障碍物もものともせず、メアリー・ケイトの髪を引っ掴んだショーンが歩いていく。

彼女はさまざまな障害物をコミカルにかつ巧みに乗り越えていきます。
その後ろを村びとたちがゾロゾロとついて歩いていきます。

いやぁこりゃコミカルだ。

で、クライマックスのショーンとレッドの殴り合い。
どこまで続くか殴り合い。
草っ原からはじまって、町の中まで繰り出して、最後の最後は酒場でだぁ。

殴り合いの果てにあるのは「和解」。
ふふふ、これがアイルランド魂というものさ。

こういうおハナシを、ウィントン・C・ホック、アーチー・スタウトのふたりがカラーで美しく撮影しています。
(どちらかがスタジオ担当で、どちらかがロケーション担当だと思うのですが)
ヴィクター・ヤングの音楽も聞きごたえ十分。

評価は★4つ半としておきます。

<追記>
ショーンとメアリー・ケイトが初めてキスを交わす場面と、婚約を認められて初めてデートに出かけるシーンも、ジョン・フォードの演出が冴えています。
ともに、急に雨風が強まって、感情の高鳴りを表現しています。
また、後者は、ふたり乗りの自転車で遠出をするのですが、ここは爽やかで気持ちがいいです。
映画の中での、屈指の自転車シーンだと思います。

<追記2>
日本語タイトルの『静かなる男』というのはどうもしっくりきませんね。
「静か」というよりも「大人しい」、ひいては「臆病」というニュアンス。
タフガイのジョン・ウェインが「(臆病で)大人しい男」を演じているから、タイトルが出たときからクスクス笑えるのだと思います。

<追記3>
クライマックスの殴り合いシーンは宮崎駿監督が『紅の豚』で(オマージュとして)そっくり真似していましたね。




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2014年映画鑑賞記録

新作:2014年度作品:66本
 外国映画43本(うちDVDなど 8本)
 日本映画23本(うちDVDなど 0本)

旧作:2014年以前の作品:131本
 外国映画105本(うち劇場10本)←カウントアップ
 日本映画 26本(うち劇場 5本)
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