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zoom RSS 『砂塵にさまよう』『美しい都市(まち)』:アスガー・ファルハディ監督初期作品 @フィルムセンター

<<   作成日時 : 2015/03/03 12:51   >>

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イランのアスガー・ファルハディ監督の初期作品3本がフィルムセンターで上映されるということなので、都合の良い時間帯に上映された2本鑑賞しました。
ファルハディ監督作品はこれまで『彼女が消えた浜辺』『別離』『ある過去の行方』の3本を鑑賞しており、興味深い題材だけれど、ちょっと合わないかなと感じていました。
この、合わないかなぁ、という思いがどこいらあたりから来るのかしらん、ということで出かけた次第です。
2本の映画は監督デビュー作『砂塵にさまよう』と第2作目『美しい都市(まち)』。
さて、映画。

砂塵にさまよう』は、
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ナザルはレイハネに一目ぼれし結婚する。
しかし両親の反対ですぐに離婚させられる。
慰謝料を払うため、ナザルは砂漠で毒蛇を捕獲する危険な仕事に就くことを考える。
(以上、フィルムセンターHPの紹介文より抜粋)

この作品では、のちの作品に登場するような
「複数のひとびとの思惑が絡み合って事態が思わぬ方向へ進んでいき、結末をつけることができない」
といったファルハディ監督の特色はあまりありません。

主人公ナザレが、結婚ローンと離婚慰謝料の重荷を背負ったがために、無謀な毒蛇を捕獲に乗りだすというハナシは、かなりストレートです。
また、毒蛇捕獲名人の無口な老人と、おしゃべりで直情的なナザルが繰り広げる丁々発止は、ユーモラスな面もあります。

ただし、主人公ナザルが狂騒的で辟易してしまいました。

評価は★3つとしておきます。

美しい都市(まち)』は、
画像

少女を殺した罪で死刑を宣告された友人アクバルを助けるために、少年アーラはアクバルの姉フィルゼーと一緒に、少女の父親に赦しを求める。
(以上、フィルムセンターHPの紹介文より抜粋)

この作品では、先に挙げたファルハディ監督の特色が色濃く出ています。

ただし、登場するひとびとがみな貧しいので、『別離』『ある過去の行方』のように
「ひとそれぞれの思惑により事態が複雑化する」というよりは、
「イランという国における諸制度なり、ひとびとの暮らし向きにより事態が複雑化する」
といった印象です。

複雑化させている原因として、
@被害者遺族が告訴を取り下げることにより、死刑を免れることができる。
A加害者家族が被害者遺族に賠償金を支払えば、死刑を免れることができる。
B死刑するにあたって、被害者家族は加害者家族に賠償金を払わなければならない。
 (加害者アクバルが男性で、被害者少女が女性であり、男性の死の賠償金は、女性の死の賠償金の2倍であることから、差額を支払わなければならないらしい)
C被害者遺族も加害者家族も互いに貧乏で、金がない

うーむ、どうもイランという国の制度はよく判らない。
まぁ、男尊女卑であることは窺い知れるのだが・・・

そんななか、加害者アクバルの姉フィルゼーは鉄道線路脇の貧民街のようなところで、幼い子供を抱え、麻薬中毒の別れた夫と暮らしている。
年下の少年アーラとの間に恋心も目覚めるが、年上で乳飲み子を抱えた離婚女との恋は社会的にうまくいくはずもなく・・・
と、遣る瀬無く切ない。

被害者遺族は、父親と後妻と身体が不自由な後妻の連れ子(結婚適齢期の娘)の家族。
こちらも貧しくて悲惨。
父親は教会に通って、寄付金でBの賠償金を集めようとするが、うまくいかない。
遂には、後妻が自分の娘をアーラが引き取って(結婚して)くれるなら、夫に告訴を取り下げさせるといいだして、事態はますます混乱していく。

こんな物語なので、うまい解決策など見いだせず、映画としては結論がないままに終わってしまう。

まさに『別離』『ある過去の行方』と同じような終わりかたなんだけれども、両作品と比べると、泥臭く地に足がついている感じがして、結末はないにしても好感は持てました。

こちらは評価は★3つ半としておきます。

で、2作品を観て(及びその後の作品を思い返して)思ったのは、まぁ、アスガー・ファルハディ監督は自分にはやっぱり合わないかな、ということ。

<追記>
見逃した監督第3作『火祭り』は興味があるのですが、

テヘランの高層マンションに派遣された家政婦は、夫の不倫疑惑のために混乱を極める夫婦の一日の目撃者となる。
夫と妻双方の嘘と不信。
限定された演劇的空間でのサスペンス感溢れる物語展開・・・
(以上、フィルムセンターHPの紹介文より抜粋)

ということなので、主人公たちが富裕層に移ることから、物語のための物語のような雰囲気も醸し出していますね。

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2015年映画鑑賞記録

新作:2015年度作品:11本
 外国映画 8本(うちDVDなど 0本)←カウントアップ
 日本映画 3本(うちDVDなど 0本)

旧作:2015年以前の作品:26本
 外国映画19本(うち劇場 4本)
 日本映画 7本(うち劇場 0本)
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