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zoom RSS 『飢餓海峡』『暴れん坊街道』:内田吐夢監督作品2本 @フィルムセンター

<<   作成日時 : 2015/07/11 22:48   >>

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東京国立近代美術館フィルムセンターの企画「特集・逝ける映画人を偲んで 2013-2014」で、『飢餓海峡』を鑑賞しました。
以前(今年にはいって)鑑賞した内田吐夢監督の『暴れん坊街道』もあわせてレビューアップしたいと思います。
さて、映画。

飢餓海峡

戦後の傷跡を残す昭和22年。
予想進路を外れた大型台風が北海道を襲う。
青函連絡船は沈没し、多数の死傷者を出す。
同じ日、北海道岩内での大規模火災が起きる。
その火災は、質屋への強盗殺人が原因だった。
函館署の刑事・弓坂(伴淳三郎)は、目星を付けた容疑者を執拗に追う・・・

なるほど、戦後の混乱期から、宿命は糾(あざな)える縄であるといわんばかりに、ひとびとの運命が転がっていく物語でした。

松本清張以前の社会派ミスティといえば水上勉でしたね。
なんて、そんなことを思いながら観ました。

しかし、あぁ、貧乏はいやだ。
金に執着(現代の意味では執着に至らないのかも)し、その後の運命を変えてしまう。
返せない負債のために二進も三進もいかなくなってしまう。
そこいらあたりは現代に通じる50年前の映画でもある。

とにかく印象的なのは、主役の(といっていいんだろうね)三國連太郎に翻弄される左幸子。
「ファム・ファタール(運命の女)」をこれまで鮮烈に描いた日本映画は記憶にないぐらいの凄さ。

その他、特筆すべきは感情が激昂した(その手前あたりから)シーンでの、粗い手持ち画面。
時折のネガ・ポジ反転もすこぶる効果的。

さらに倒叙ミスティのようにみせて、その実・・・というのは、冤罪をうむ当時の証拠主義ではない自白主義が根底にあり、これまたすこぶる面白い。

とはいえ、ミスティとしては第2の事件に警察側の追及はトホホ。

心中したと思しき男女の首に扼殺痕が・・・って、どう考えても自殺じゃないし、アリバイもないに等しいのに、署長自ら「あのひとには鉄壁なアリバイが・・・」っていっちゃうあたりはどうかしらん。
この後の警察側がバカにみえてしまいました。

でも、いま観ても力作。
特にラストシーンはかなりの力です。

なので、評価は★★★★(4つ)としておきます。


暴れん坊街道

3月にフィルムセンターで観たので、細部は忘れていますが、近松門左衛門の浄瑠璃『重の井子別れ』の映画化です。
チャンバラは嫌いだけれど、時代劇はそこそこ好き。
なので、近松の世話物の映画化ならば、ちょっと興味がありました。

丹波国のある城にて、小姓の与作(佐野周二)は、家老の娘・重野(山田五十鈴)と恋仲になり男児をもうけるが、国外追放となってしまう。
一方、重野のほうも、もうけた男児を里子に出さざるを得なくなってしまう。

10年ほどしたある日、放浪の与作は、馬子の少年に出逢い、仲良くなっていく。
また、馬子の少年の育ての姉で飯盛り女の小まん(千原しのぶ)とも情を深めていく。

そんなある日、彼ら三人のいる宿場に殿さま行列とともに重野がやってくる・・・

というハナシ。
物語物語した出来過ぎた展開なんだけれども、これが意外と面白い。
(原作が近松門左衛門ですからねぇ)

で、これまた意外といいのが、この映画が時代劇初出演という佐野周二の与作。
佐野周二の飄々とした軽さが、因果応報的な暗いドラマを救っています。

あっ、チャンバラは最後まで一回もありません。
でも、巻末の与作の切腹シーンは、大俯瞰(真上からの撮影)で、インパクト大でした。
さすが、内田吐夢監督。

評価は★★★☆(3つ半)としておきます。



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2015年映画鑑賞記録

新作:2015年度作品:50本
 外国映画38本(うちDVDなど 6本)
 日本映画12本(うちDVDなど 0本)

旧作:2015年以前の作品:80本
 外国映画66本(うち劇場15本)←カウントアップ
 日本映画14本(うち劇場 3本)
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