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zoom RSS 『マラソンマン』:事件が解決しても絶望的になるトラウマ的スリラー映画 @DVD

<<   作成日時 : 2016/05/20 22:45   >>

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平日の午前中に時間ができたので、さて、買い置きDVDでも観るか・・・
ということで選択したのが、この『マラソンマン』。
1976年製作のジョン・シュレシンジャー監督、ダスティン・ホフマン主演のスリラー映画。
なにせ、全米公開時のポスターは、タイトルの下に大きく「A THRILLER」という謳い文句が書かれている(というのをDVDの特典映像で確認)。
まさしく、スリラー。
サスペンスとは少々違う。
というのも・・・
さて、映画。

ニューヨークで大学院に通うベーブ(ダスティン・ホフマン)、趣味はマラソン(いまでいうジョギング)。
日々セントラルパークを周回し、タイムを記録している。
父親は大学教授であったが、かつての赤狩り時代に嫌疑をかけられて、自殺してしまった。
兄(ロイ・シャイダー)がいるが、ベーブには石油関係のビジネスマンといっているが、その実、職業は不明。
パリで爆破事件に巻き込まれ、ニューヨークに戻ってきた。
一方、ベーブは大学図書館で知り合ったスイス人と名乗る女性(マルト・ケラー)とふとしたきっかけで付き合うようになっていた。

そんな彼らとはかかわりなく、ニューヨークの街中で自動車の追突事故が起こり、死者のひとりがナチス戦犯の兄弟だった。
件のナチスの戦犯ゼル(ローレンス・オリヴィエ)はウルグアイで逃亡生活を送っていた・・・

というハナシ。

全尺2時間5分のうち、45分程度まで何が起こっているのかはほとんどわからない。

ロイ・シャイダーが危険な仕事に手を染めているが、それが何かはわからない。
そのうち、ニューヨークでゼルの手により絶命してしまうことで、ゼルを中心とした組織が活動していることがわかるといった次第。

この前半が、素晴らしい。
なにが起こっているのかがわからないにもかかわらず、ゾクゾクするような気分で映画に引き込んでいくジョン・シュレシンジャー監督の演出は見事だ。

ただし、このゾクゾク感が後半では少し緩んでいく。

絶命する寸前に、ロイ・シャイダー扮する兄がベーブのアパートまで辿り着く。
ここいらあたりから、かなりご都合主義が目立ってくる。

兄の友人(もしくはパートナー)として登場するウィリアム・ディヴェインは、ベーブの前に警察の一員として姿を現すが、その後、あっさりゼルの一味だと正体を明かすし、マルト・ケラーもゼルの一味だと明らかになる。
特に、マルト・ケラーがゼルの一味だという必然はあまり感じないし、そもそも彼女に近づいたのはベーブの方で、ここいらあたりは脚本的に混乱しているように思われる。

しかし、これぐらいの混乱もなんのその、映画のゾクゾク感はそれほど落ちない。

というのも、主人公はあくまでも事件に巻き込まれたままで、能動的に事件の解明を考えていないあたりが、リアルでゾクゾクするわけだ。
そう、世の中は、そうそう明快なことはなく、それはカタルシスがあるものではない。
誰が悪で、どんな組織で、そんな組織にどう立ち向かって、結果、主人公の奮闘努力で事件は解決して大団円を迎える・・・ということは少ない。
この映画は、なんとなくカタは付くが、誰も幸せになっていない。
まぁ、主人公だけは生き延びるのだけれど。
そういう意味では、カタルシスからはほど遠い。

トラウマになりそうなスリラー映画。
元ナチスで歯医者のゼルがベーブに対して歯髄神経を刺激する拷問シーンもさることながら、悪の全貌もわからず、兄が悪の片棒を担いでいたことを知り、さらには父親の汚名も晴らせず、その上、恋人まで喪ってしまう・・・それでも生き残ってしまう主人公をみて、ただただ無力感を覚えてしまう。
若い時分に観ておらず正解だった。
観ていたら、かなりトラウマになる類のスリラー映画だと思う。

評価は★★★★(4つ)としておきます。



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2016年映画鑑賞記録

新作:2016年度作品:36本
 外国映画26本(うちDVDなど 0本)
 日本映画10本(うちDVDなど 1本)

旧作:2016年以前の作品:45本
 外国映画37本(うち劇場 8本)←カウントアップ
 日本映画 8本(うち劇場 2本)
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