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zoom RSS 『オーバー・フェンス』:精々いまのうちに笑っておけよ @ロードショウ・単館系

<<   作成日時 : 2016/10/16 01:19   >>

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海炭市叙景』『そこのみにて光輝く』に続く佐藤泰志の小説の映画化『オーバー・フェンス』、ロードショウで鑑賞しました。
前2作とも、ひとが生きることの生きづらさ、遣る瀬無さがヒリヒリと感じられたので、今回もそこいらあたりを期待していました。
さて、映画。

函館の職業訓練校建築科に通う白岩(オダギリジョー)。
妻と別れて、故郷に戻ってきた次第だ。
訓練校に通う面々も、何かしら生きづらさを抱えている。
ある日、クラスメイトの代島(松田翔太)に連れて行かれたキャバクラで、ホステスをしている聡という名の女性(蒼井優)と出逢う。
彼女は、いつかの昼間に道で連れの男に向かって、鳥の動きを真似て踊っていた女だった・・・

といったところから始まる物語は、何かしらの生きづらさを抱えた人々の物語であるが、前2作と比べて、閉塞感を少し打ち破るような希望を持った物語である。

が、どうも観ていて、しっくりこない。
よくわからないのだけれど、脚本が狙うところと、演出が狙うところが少しズレているような感じなのだ。

高田亮(『さよなら渓谷』『そこのみにて光輝く』『きみはいい子』)が書いた脚本は、先に書いたように「生きづらさを抱えた人々が、互いに信頼しあって、最後に少しだけ希望を持つ」物語なのだが、山下敦弘監督の演出は、あくまでも「生きづらさ」にこだわっているようにみえる。
全体的に、ロングショットの長廻しで、俳優たちが醸し出す「生きづらさ」の雰囲気をつかみ取ろうとしている。

そんな中、たまたま誘われた酒席で、若い女性を前にして、突然、くすぶっていた怒りを噴出する白岩のシーンが、静かな口ぶりで怒りをあらわにする白岩の顔をアップで撮っている。
そのときの白岩のセリフは、こうだ。
「何が面白いんだ・・・まぁ、精々いまのうちに笑っておけよ・・・なにも笑えなくなる日がくるんだから・・・」

ありゃりゃ、ここなのか、監督がいちばん力を入れているシーンは。

なので、本来、力を入れるべき「フェンス」(生きづらさの象徴)が、妙に取っ散らかってしまう。
動物園の檻。
開けても飛び立たないハクトウワシ。
聡が、発信していた叫びの象徴であるダチョウ・・・
職業訓練校のフェンス・・・

これらのメタファーが、どうにもうまく、心の中で一つになっていかなかった。

期待が大きかった作品なので、失望度も大きかった。

評価は★★★(3つ)としておきます。

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2016年映画鑑賞記録

新作:2016年度作品:89本
 外国映画61本(うちDVDなど 9本)
 日本映画28本(うちDVDなど 5本)←カウントアップ

旧作:2016年以前の作品:93本
 外国映画73本(うち劇場14本)
 日本映画20本(うち劇場 6本)
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コメント(2件)

内 容 ニックネーム/日時
素っ頓狂な若い女と、はっきりしない男。周りの人物は興味深く描けているのだが、肝心の主役二人がとりとめがなさ過ぎて、映画自体がとっ散らかった印象です。この監督の技量が疑問ですね。
ぷ〜太郎
2016/11/24 14:51
ぷ〜太郎さん、コメントありがとうございました。
山下敦弘監督はこのあとの作品『ぼくのおじさん』もいまひとつだったので、もう観るのは止そうかしらと思っているところです。
りゃんひさ
2016/11/26 10:32

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