『吾輩は猫である』:市川崑作品をフィルムセンターで鑑賞。

画像


夏目漱石を尊敬敬愛する我が妻と連れ添ってフィルムセンター小ホールに鑑賞です。
満員満員で、ギリギリ前から2列目で席を確保できたようなありさまでした。

さて、

「吾輩は猫である。名前はまだ無い」で始まる有名著名な原作は、恥ずかしながら、高校生時分に2・3ページで断念しました。
その後、再チャレンジしていません(が、「三四郎」以降の作品はいくつか何度も読み返しております)というような、漱石経験暦です。

「苦沙弥先生の仲代達矢が重くて重くて、どうしようもない」とは妻の弁。
あれじゃぁ、ノイローゼの神経症に見えるよねぇ、と申しますと、「当時、漱石はノイローゼだったのだから、間違っていないのだけれど、書斎で弟子たちと交わす論議が、さぁぁぁっと風吹くような感じの風通しの良い談論にならないと滑稽味が出ないのよ」なんて返されてしまいました。

そうね、確かに、仲代は顔つきは似ているが、あれじゃまるで重喜劇だ。滑稽味、諧謔にはほど遠い。

市川崑の演出は下世話な成金娘の篠ヒロコが何度も何度もいぎたなく餅を食べるさまを描いたりして、乾いた滑稽感を出そうとしていて悪くないのだが、寒月くんの岡本信人が気色悪く、迷亭の伊丹十三と二絃琴のお師匠さん緑魔子も少々鼻に付く。
細君役の波乃久里子ははまり役、東風の篠田三郎がゾッとするぐらいいい男。

撮影は岡崎宏三。カメラが猫の目となるべく、ワイドレンズと数々の改造手持ちカメラを多用して、「猫の奔放さ」の再現に苦心した、との逸話がある画面づくりは見所。
市川監督は、名手岡崎宏三に、開口一番『下手に撮ってくれ』と言ったそうな。

美術は西岡善信。古谷一行版金田一シリーズのひとである。限られた空間で再現された美術も見所のひとつ。

DVDは未発売です。

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!

ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。

→ログインへ

なるほど(納得、参考になった、ヘー)
驚いた
面白い
ナイス
ガッツ(がんばれ!)
かわいい

気持玉数 : 0

この記事へのコメント

かばくん
2008年04月24日 18:23
ど~も、漱石作品の映画化にはいいのはないようですなぁ。
名文学は文字で読むのが一番のようで・・・。

この記事へのトラックバック