『トルパン』:カザフの荒野は過酷@東京国際映画祭プレイベント上映会

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カザフスタンを中心に5カ国合作の『トルパン』、昨年度2008年の東京国際映画祭のさくらグランプリ受賞作を特別上映で観ました。
タイトルの「トルパン」はカザフ民族の年頃の女性の名前。
『トゥヤーの結婚』のように娘が主役かと思いきや、さにあらず。
サハリンで海軍軍人の経験のある青年アサが主人公です。

まぁ、初めにビックリするのは、アサ役の青年が柄本明の若い頃にソックリなこと。
そんなトボケた顔で、大ダコがどうしたこうしたなんてハナシを、見合いに行ったトルパンのゲル(とはいっていませんが、移動式の家のことです)で、トルパンの両親の前で熱弁を振るっています。
それがオープニング。

はりゃりゃりゃ、どういう映画なのかしらん、という想いが募りました。

『トルパン』というタイトルは、青年アサのカザフの大地で、家族を持って、羊飼いとして暮らしていく願望の象徴です。

海軍セイラーのアサは、背中の襟の後ろに、そんな願望を絵で描いています。
稚拙な、といっていいようなタッチですが、想いは伝わります。

しかしながら、カザフの荒野は容赦がない。

妊娠した羊たちは栄養失調で死んでいく。
晴れている大地に、あっという間に竜巻が巻き起こる。

都会も知っている青年アサには過酷で、羊飼いになることなんかできるのでしょうか・・・・

映画は、そんな物語を少々のユーモアを込めて描いていきます。
コミックリリーフは、アサが同居する姉夫婦の末っ子。
棒に跨り、ハイシドードーと楽しむ様が微笑ましいです。

そして、青年アサ。
終盤、この荒野で羊飼いとして暮らしていけるかどうかの決断のとき。
一頭、群れから離れた身重の羊を見つけたアサ。
まさに、その羊の出産を、独りで手助けすることができるのか。

映画は、その羊の出産に立ち会うアサをドキュメンタリーさながらに、ワンカットで撮っていきます。

なかなか生まれない子羊。
泣き声を挙げる母羊。
生まれても産声をあげない子羊。
アサの懸命の口移し呼吸。

そうか。
この「生身」の感覚がグランプリなのね。

久し振りに異文化に触れた想いがしました。

圧倒的な自然描写ですが、さすがに文化的ディバイドは大きく、評価としては★3つ半としておきます。

<追記>
2009年10月にシネフィルイマジカで放送予定です。



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