『利休にたずねよ』:一貫した茶人・利休像が結べず、散漫な映画 @ロードショウ・一般劇場

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レビューアップは遅くなりましたが、東映正月作品『利休にたずねよ』を公開1週目の平日夜に鑑賞しました。
客席の中央あたりはそこそこ観客が入っているので、入りとしては、まぁ、こんなものかなぁ、という印象。
さて、映画。

豊臣秀吉に切腹を申しつけられた利休。
「わたしが額(ぬか)づくのは、美しいものだけでございます」といって憚(はばか)らず、当世を魅了した茶人。
その彼が額づいた美はなにか・・・

映画は、切腹の日から始まり、20数年前に遡り、利休がここまでひとびとを魅了してきた経緯をつづっていきます。

画面はまぁそれなりに美しいし、意味深な小道具や場所が示されたり、と興味を惹くことは惹くのですが、いかんせんまだるっこしい。
主演の市川海老蔵の演技が一本調子なのも、まだるっこしくなった原因か。

で、映画は進み、切腹の日。

ここで映画は、なんと利休が茶人になる前の、遊び呆けていた大店の若旦那の時代に戻ってしまう。

えええぇぇぇ、こんな作劇法、ダメじゃないですか。

現在⇒過去⇒大過去⇒大団円、って推理小説のフレームワークですが、映画で用いられることは善しとされていません。
なぜなら、現在と過去を結ぶ線が、大過去と現在に直結してしまうから。
そのことによって、過去からのドラマを蔑(ないがし)ろにしかねないかいからです。

この映画では、特にその傾向が強いです。

大過去に戻った途端に、映画のトーンが突然、下手な恋愛ドラマのようになってしまい、市川海老蔵の演技も破天荒になっています。
なので、一貫した茶人としての利休像が結べず、散漫な映画に見えてしまいました。

評価としては★3つとしておきます。


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2013年映画鑑賞記録

 新作:2013年度作品
  外国映画46本(うちDVD、Webなどスクリーン以外25本)
  日本映画25本(うちDVD、Webなどスクリーン以外 6本)←カウントアップ

 旧作:2013年以前の作品
  外国映画51本(うち劇場 2本)
  日本映画10本(うち劇場 1本)
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この記事へのコメント

jyamutomaruko
2013年12月22日 11:46
どうにも冗長で、厳しい映画でした。
この監督「火天の城」での秀吉の描き方がお笑い芸人を使って酷かったのですが、今回も人物造形に説得力がなかったですね、これはサリエリとアマデウスとまでは言わなくても、その確執がキモだと思うので秀吉が描けていないと、利休の人間像が浮かび上がってこない、と思いました。

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