『罪の手ざわり』:憤怒の河を、渡りそこねたかも @ロードショウ・単館系

画像

ジャ・ジャンクー監督の最新作『罪の手ざわり』、Bunkamura ル・シネマで鑑賞しました。
割引料金と日曜の最終回は満席。しかし、この映画、ル・シネマにはあってないような・・・
というのも、北野武映画ばりの暴力にあふれているからねぇ。
さて、映画。

中国・庶民の4つのエピソードが順に描かれていきます。

ひとつめは、山西省の中年炭鉱夫。
村の共同資産だった炭鉱を同級生の実業家と村長により搾取され、その怒りが爆発。
俺は憤怒の河を渡る、といわんばかりに銃で打ち殺していく・・・

ふたつめは、重慶に妻子を残して出稼ぎにでた男。
出稼ぎとは名ばかりに、拳銃片手に略奪を繰り返して、得た金を送金していた・・・

みっつめは、湖北省のもう若くない女性。
妻子ある男性と遠距離不倫を続けている。
働き先の風俗サウナで、受付係であるにもかかわらず、金に物言わせた客から接待サービスを強要される。
追い詰められた彼女は、不倫相手が残した果物ナイフで客に切り付けていく・・・

最後は、広東省の縫製工場で働く青年。
仕事中に同僚が事故にあい、その責任を押し付けられてしまい、職場を逃げ出す。
高級ナイトクラブのボーイとして働き、そのクラブのダンサー(兼接待サービス係)の女性に恋心を抱くが、彼女は未婚の母で3歳の子どもがいた・・・

ジャ・ジャンクー監督作品は過去に『プラットホーム』『世界』『長江哀歌』『四川のうた』の4本を鑑賞していますが、そのいずれの作品も独特な雰囲気を持っていました。
底流に太い物語が流れており、その物語が表面にあわられることなく、淡々とした演出でみせていき、観客はいくぶん退屈を感じるが、いつしか底流の物語に気づき魅せられていく、そんな感じでした。

しかしながら、今回は、物語はハッキリくっきりしています。
底流も、中国の格差社会と判り易いです。
もう、以前のような語り口で語れないほど、中国の格差社会に絶望や諦念を感じているということでしょうか。

まぁ、はじめのふたつのエピソードはそこそこ面白いです。
もうどん底だよ、行き詰まりだよ、この鬱憤をどうすりゃいいのだ、という開き直りの暴力映画になっているからです。

ですが、残りふたつは如何ともしがたいです。
虐げられた女性の描き方がステレオタイプといいますか、紋切型といいますか、なんだかダメな頃の日本映画みたいな雰囲気なのです。

評価は★3つとしておきます。
(エピソード毎には、3つ半、3つ、2つ半、2つ半といったところですかねぇ)



------------------
2014年映画鑑賞記録

新作:2014年度作品:31本
 外国映画20本(うちDVDなど 5本)←カウントアップ
 日本映画11本(うちDVDなど 0本)

旧作:2014年以前の作品:82本
 外国映画62本(うち劇場 3本)
 日本映画20本(うち劇場 3本)
------------------

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!

ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。

→ログインへ

なるほど(納得、参考になった、ヘー)
驚いた
面白い
ナイス
ガッツ(がんばれ!)
かわいい

気持玉数 : 0

この記事へのコメント

この記事へのトラックバック