『ぼくのおじさん』:真理を追究するひとが嘘をついてはいけない @ロードショウ・一般劇場

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オーバー・フェンス』につづく山下敦弘監督の新作『ぼくのおじさん』、ロードショウで鑑賞しました。
「ぼくの伯父さん」といえばジャック・タチだが、こちらは「叔父さん」。
お父さんの弟さん。
日本映画で「おじさん」といえば、山田洋次監督『男はつらいよ』シリーズの寅さん。
妹・さくらの息子・満男からみれば、叔父さんだ。
たぶん、この映画、寅さんの線を狙っている(はず)。
さて、映画。

小学生のユキオくん(大西利空)は、周りにいる大人について作文を書く宿題が出された。
父母についてはピンとこず、妹にいたっては論外。
グータラでだらしない、哲学者で居候のおじさん(松田龍平)について書くことにした・・・

といったところから始まる物語は、子どもの目を通して観た「大人の世界の映画」かと思いきや、そこまで深くない。
単に、「ヘンな」おじさんの観察日記。
その「ヘン」さで前半は映画は保っているが、おじさんの恋愛騒動になる後半は、もう、ダメダメだめだめ、と駄目の連発。

とにかく、おじさんに対して途中から好感を抱かなくなってしまう。

きっかけは、ひと目惚れした女性(真木よう子)に「ホノルル大学から招聘されている」云々の「嘘」を言ってから。

哲学者=「真理を追究するひと」。
そんなひとが、世間の常識からずれているところから生じる面白さ可笑しさであるべきところが、「嘘」を言ってしまっては救いがたい。

なので、後半、ハワイへ行ってからのバカばなしも、結局は「世間から浮いた、いい歳した大人」の「身勝手な」行動にしか見えない。
「世間から浮いた、いい歳した大人」が、そのひとの価値観で行動するところから笑いを起こさなければならないのに。

この後半は原作にないオリジナルらしいので、映画としてのキャラクター設定が破綻しているとしかいえない。
山下監督、『オーバー・フェンス』もガッカリしたが、この作品でもガッカリしたよ。

続編を作る気満々のエンディングだけれど、まずは、嘘をついたことを反省するおじさんを描かないと、どうしようもないのではありますまいか。

評価は★★(2つ)としておきます。

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2016年映画鑑賞記録

新作:2016年度作品:106本
 外国映画69本(うちDVDなど10本)
 日本映画37本(うちDVDなど 5本)←カウントアップ

旧作:2016年以前の作品:98本
 外国映画77本(うち劇場16本)
 日本映画21本(うち劇場 7本)
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この記事へのコメント

ぷ~太郎
2016年11月20日 23:32
う~ん、つまらなかったです。オリジナル脚本のところがあまりにバカらしくて、うんざりです。松田龍平の演技はこの作品には合っていませんね。もっと徹底して自己の世界に浸っている感じでないとね。
2016年11月21日 16:14
ぷ~太郎さん、コメントありがとうございました。
松田龍平だと、ちょっと色気がありすぎでしたね。
イメージ的には、伊藤雄之助あたり(古!)。
『参勤交代』シリーズの佐々木蔵之介でもいいかも。

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