『インフェルノ』:一回休みや元へ戻るのない、双六サスペンス @DVD・レンタル
DVDでの落穂拾い3本目は『インフェルノ』。
トム・ハンクスが宗教象徴学者ラングドン教授に扮したシリーズ第3作目。
先にレビューを記した『特捜部Q』の後に2本ほど落穂拾いをしているのだけれど、ま、流れ的にはこの映画のことを先に書いておく方がよろしかろう。
さて、映画。
イタリア・フィレンツェで意識を失い、病院に搬送されたラングトン教授(トム・ハンクス)。
女医のシエナ(フェリシティ・ジョーンズ)の治療を受けている最中に、何者かによって命を狙われる羽目になった。
シエナとともに逃げ出した教授の手元には、謎のペンライト型の機密保持器があった。
中身を調べてみると、ボッティチェリが描いたダンテの「地獄の見取り図」の画像があった・・・
というところから始まる物語で、ヒッチコック的巻き込まれ型サスペンス、マクガフィンはダンテの神曲。
おっ、すこぶる面白そう・・・
だが、まるで面白くない。
画像に隠された秘密がアナグラムで、そこから順々に手繰っていくだけの、いわば「双六サスペンス」。
双六ならば、一回休みや元へ戻るなどの右往左往があるけれど、この映画では、ほぼない。
ラングトン教授が数日間の記憶を失っているので、状況がただただ混乱しているだけで、観客を欺くことは無理。
たしかに、秘密のブツを追う面々が二重三重になっているあたりはスリリングな設定かもしれないが、なぜかドキドキしない。
というのも、そもそも黒幕がハナシのはじめに死んでいることが明らかになっているので、観る方としたら「まぁ、たかが知れてる敵」だと思うせいかもしれない。
クライマックスもお粗末で、世界を亡ぼすのではなかろうかといわれているものが、ごみ袋のようなものに入っているのではハラハラしない。
そんな、とっくに破れているんじゃないの?
ということで、回を重ねるほど、象徴学も宗教学も活かされないようになってきていて、今回はガッカリ度が高かった。
評価は★★(2つ)としておきます。
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2017年映画鑑賞記録
新作:2017年度作品:21本
外国映画17本(うちDVDなど 2本)
日本映画 4本(うちDVDなど 0本)
旧作:2017年以前の作品:21本
外国映画18本(うち劇場鑑賞 5本)←カウントアップ
日本映画 3本(うち劇場鑑賞 0本)
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