『真昼の決闘』:ほろ苦い味のする西部劇の原点 @DVD

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自宅でのDVD鑑賞の続き。
前回記した『ウィル・ペニー』に続いて、西部劇をもう1本。
映画はゲイリー・クーパー主演、フレッド・ジンネマン監督の1952年作品『真昼の決闘』。
言わずと知れた名作西部劇。
1980年代の初めにテレビでノーカット・字幕スーパー版を観て以来なので、30数年ぶりの再鑑賞。
さて、映画。

西部の小さな町ハドリーヴィル。
五十歳近いベテラン保安官のウィル・ケイン(ゲイリー・クーパー)は年若いエイミー(グレイス・ケリー)と結婚し、リタイアする。
そんな日曜日の午前10時過ぎに、町の通りを3人の無法者が馬で通り過ぎていく。
彼らは、かつてこの町を牛耳っていたフランク・ミラーの弟と手下。
ミラーは5年前、ケイン保安官と助手たちの手で捕らえられ、絞首刑となるはずだったが減刑され、5日前に釈放された。
そして、本日正午に町はずれの停車場に到着する列車に乗って、ハドリーヴィルに向かっている、との電報を得た。
ミラーたちの目的は、捕まえたケインや判決を下した判事への復讐。
ケインは、一旦は町長たちの忠告により、エイミーとともに馬車で町を去ることにしたが、自己の誇りと町の安全を守るという正義心から町へ引き返すことにした・・・

というところから始まる物語。

原作はパルプマガジンに掲載された『ブリキの星章(The Tin Star)』という小説だが、内容については正直なところ知らないが、基本的には、年老いた保安官が孤立無援で4人の悪漢を倒すという、という英雄譚的なものだろうと推察する。

それを 後に『戦場にかける橋』『ナバロンの要塞』を手掛けるカール・フォアマンが脚色し、リアリズム監督のフレッド・ジンネマンが見事に演出している。

ミラーの乗った列車が到着するのが正午、それまで残された時間は1時間20分。
3人の無法者たちはミラーの到着を待つだけ。
つまり、何も起こらない。

そんな中で緊張感を持続させるストーリーテリングと演出が見事で、老いたケインは5年前のように助手として住人に援軍を頼むが、誰一人として、協力しない。
町の中を行きつ戻りつして、頼み込むケイン。
自己保身のための理由はさまざまだが、誰一人として援助しない。
はじめは、援助を申し出たたったひとりすら、加勢がないと知ると、やはり銃を置いて出て行ってしまう。

この間の徹底したリアリズム描写が緊張を高める。

列車の到着、そして決闘。
住民の誰もかれもが建物の中に息を殺して身をひそめ、ゴーストタウンのようになった町での撃ちあい。
この決闘も創意工夫が凝らされている。

そして、遂に、ケインはミラーらを倒すのだが、その瞬間、建物の中から住民たちが飛び出して来、ケインを称えるが、彼の勝利は苦い。
誰もかれも自己保身のためにケインを見捨てたというのに。
不要になった保安官の星章を静かに投げ捨て、新妻とともに馬車で町を去るケインの姿に爽快感はない。

個人的には、アクションをみせるための英雄譚的西部劇は苦手。
ほろ苦い味のする西部劇の原点。
30数年ぶりに観て、やはり傑作でした。

評価は★★★★★(5つ)としておきます。

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2017年映画鑑賞記録

新作:2017年度作品:83本
 外国映画64本(うちDVDなど16本)
 日本映画19本(うちDVDなど 0本)

旧作:2017年以前の作品:59本
 外国映画51本(うち劇場鑑賞13本)←カウントアップ
 日本映画 8本(うち劇場鑑賞 3本)
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