『冬の光』:ベルイマンのターニングポイント的映画かも @特集上映

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ここのところ60年代の旧作映画を続けて観ているのですが、今回はイングマール・ベルイマン監督の『冬の光』。
つい最近から始まったベルイマン生誕100周年映画祭の1本で、60年代の中核をなす「神の沈黙」3部作と呼ばれる作品の第2作です。
さて、映画。

スウェーデンの寒村で牧師を務めるトマス(グンナール・ビョルンストランド)。
朝の礼拝での信者は数えるばかり。
聖体拝授の儀式に出たのは片手で数えることが出来るほど。
そのうちひとりは、トマスに恋愛感情を寄せるマルタ(イングリッド・チューリン)で、他の4人のうち、若き漁師のヨナス(マックス・フォン・シドー)と、先ごろ出た中国の原爆開発のニュースに心を病んでいる。
ま、トマス自身も神への信仰に疑問を抱いているのではあったが・・・

といったところからはじまる物語で、ベルイマンの映画の中でも、信仰の問題に真正面か取り組んだ作品。

だけれども、まぁ、面白くない。
キリスト教徒でないのでよくわからないと言い訳させてもらっても、信仰に疑問を抱く牧師が、その疑問から一歩先に出ていかず、やはり疑念を抱いたままではドラマとしてはツマラナイ。
対して、彼に恋心を寄せる中年女性教師のマルタは、「神など信じない」とかなり早い段階で告白する。

これが後年のベルイマン映画ならば、もう少し、主役ふたりの(信仰は別にしての)ドラマとして発展するのだろうが、そこんところまでは描かれていない。

いまから観ると、中国が原発開発に至ったからといってそこまで生命の危険を及ぼすも思えないし(第二次世界大戦後20年で、平和が脅かされているという意識はあるにしても)、かといっても戦後20年で平和を脅かす恐怖におののくというものありまもしれないが、原爆被爆国の日本では、これより10年ほど前に黒澤明が『生きものの記録』を撮っているので、どうにもこうにも「いまさら」感が強い。

なので、ベルイマンがこの映画で繰り返す「神の不在」をどう見るかなのだけれど、主人公の牧師が終盤で気づくように、「よきこと(善きことではなく、好きこと)を示さない神に、いまさらながら気づいた」(意訳あり)というように、神との関係、信仰心と生きることの理由は別だと気づいたベルイマンのターニングポイント的映画かもしれません。

とはいえ、このあとのベルイマン映画をすべて見ているわけではないので、誤っているかもしれません。
でも、この後、どんどんどんどん、人間の内面描写に力を入れていっているように感じます。

評価は★★★☆(3つ半)としておきます。
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2018年映画鑑賞記録

新作:2018年度作品:46本
 外国映画37本(うちDVDなど 3本)
 日本映画 9本(うちDVDなど 0本)

旧作:2018年以前の作品:45本
 外国映画38本(うち劇場鑑賞 6本)←カウントアップ
 日本映画 7本(うち劇場鑑賞 1本)
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