『ぼくの名前はズッキーニ』: 切なくヒリヒリする異色のアニメーション @DVD・レンタル

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落穂ひろいDVD鑑賞の続きです。
映画は『ぼくの名前はズッキーニ』。
ことし2月にロードショウされた、スイス・フランス合作のストップモーション・アニメーション。
日本語吹替えで鑑賞しました。
さて、映画。

母親とふたり暮らしの9歳の少年。
酒浸りの母親からは「ズッキーニ」と呼ばれていて、ネグレットに近いような状況だが、少年は母親のことが嫌いではない。
そんなある日、屋根裏にある少年の部屋にあがろうとした母親が、梯子から転落して死んでしまう。
それは、少年が入口に当たる床のドアを閉めたせいなのだが・・・
そして、少年は児童養護施設に引き取られることになる・・・・

というところからはじまる物語で、これほどシリアスなストップモーション・アニメは『メアリー&マックス』以来だろう。

児童養護施設で暮らす少年少女の理由は、不法滞在、犯罪、児童虐待などさまざまで、親が親権を認められれば引き取りに来るし、親権が認められない場合は、よい里親が現れれば、引き取られることもある。
けれど、少年少女たちは、みな10歳前後ともう十分おおきくなっていて、里親に引き取られることなんてない、と長年この施設で暮らす赤毛の少年シモンは言う。
ここいらあたりのシリアス感はヒリヒリする。

施設での暮らしは、当然、和気藹々としたものばかりでなく、少年少女たちは自分自身の心を傷つけたくないが故に、暴言をはいて一緒に暮らす仲間を傷つけたりもする。
ここいらあたりもヒリヒリする。

しかし、ヒリヒリするだけでなく、新しくやっていた少女カミーユとの淡い恋ごころや、男性職員と女性職員の恋愛を通じて、少年たちがセックスについて喋りあうあたりなどは、微笑ましく感じます(「おちんちん、爆発!」は、名台詞だ)。

最終的に、ズッキーニとカミーユは里親が見つかるのだけれど、のこされた少年少女たちの心の痛みも十分に感じているあたり、切ない。

キャラクター的には、赤毛の少年シモンが出色。
シニカルだけれど、それは寂しさから出ていることが痛いほと伝わるし、ズッキーニと心を通わせていくあたりも胸を突きます。

日本語版は、少年少女たちを、峯田和伸(ズッキーニ)、麻生久美子(カミーユ)、浪川大輔(シモン)とおとなの俳優たちが吹替えており、はじめは少々戸惑うけれども、変な声色を使わないので、かえって少年少女のこころがストレートに伝わってきました。

評価は★★★★(4つ)です。

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2018年映画鑑賞記録

新作:2018年度作品:63本
 外国映画52本(うちDVDなど 4本)←カウントアップ
 日本映画11本(うちDVDなど 0本)

旧作:2018年以前の作品:63本
 外国映画56本(うち劇場鑑賞13本)
 日本映画 7本(うち劇場鑑賞 1本)
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この記事へのコメント

ぷ~太郎
2018年11月20日 15:43
いや~、すごくいい作品でした。地にしっかり脚をつけて現実を描いているけど、ユーモアを忘れず、ほっこりしたところと切なさと両方あり、「メアリー&マックス」以来、久しぶりに見応えありのアニメでした。
2018年11月21日 22:01
ぷ~太郎さん、これはほんとにいい作品でした。

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