『ワンダーストラック』: 監督の「再現」マニアぶりが炸裂している @DVD・レンタル

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11月に入りましたが、やはり・・・というか何というか、まだ観たい新作はなく、引き続き、DVD落穂ひろい鑑賞です。
今回鑑賞したのは『ワンダーストラック』。
今年4月にロードショウされましたね。
さて、映画。

1977年、米国ミネソタ州の田舎町。
少年ベン(オークス・フェグリー)は、つい先ごろ、図書館員の母親エレイン(ミシェル・ウィリアムズ)を交通事故で亡くしたばかり。
伯母の家に引き取られたが、遠縁であることには変わりない。
幼い頃から姿を見なかった父親・・・
ある日、「ワンダーストラック」と表紙に書かれたカタログらしきものを見つけ、その中に、父から母へ向けた栞が挟まれており、ニューヨークの本屋の住所と名前があった。
それを手掛かりにして、父親を探す旅に出ることを決めた矢先、家におちた雷のせいで、聾になってしまう・・・

といったところから始まる物語で、並行して、1927年のニューヨークで大女優の母親リリアン(ジュリアン・ムーア)を探す(これまた)聾の少女ローズ(ミリセント・シモンズ)の物語がモノクロームで描かれていきます。

物語的には、「あ、なるほど」といった具合のところに落ち着くのだけれど、この映画、途中途中にそれほどビックリするような展開がないにもかかわらず、興味深く観つづけられます。

ひとえにこれは、監督の「再現」癖によるところが大きいでしょう。

20年代と70年代、50年の時を超えた場所を、違和感なく描いていき、その雰囲気(特に70年代のソウル臭)は驚くべきところでもあります。
そして、主役ふたりの少年少女を聾にしたことで、台詞を極力減らし、画で魅せる演出が功を奏していきます。

で、終盤、「あ、なるほど」の後がまたビックリ。

50年をつなぐ物語を、ジオラマ・パノラマという「再現」を用いて、さらに再現するという念のいった「再現」マニアぶり。
ここのところを、いわゆる普通の役者を用いた再現シーンにしなかったので、映画に奥行きが出たと思いました。

で、監督は『キャロル』のトッド・ヘインズ
なるほど、彼のアイデンティティは「再現」にあるのね。
今回は、登場人物の懊悩まで踏み込まなかったので、それが個人的には好みの方向に出たように感じました。

評価は★★★☆(3つ半)です。

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2018年映画鑑賞記録

新作:2018年度作品:73本
 外国映画58本(うちDVDなど 7本)←カウントアップ
 日本映画15本(うちDVDなど 2本)

旧作:2018年以前の作品:70本
 外国映画61本(うち劇場鑑賞14本)
 日本映画 9本(うち劇場鑑賞 3本)
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この記事へのコメント

おすもうさん
2018年11月19日 15:25
予告を見た時から気になっていてDVD鑑賞しました。なんてことないのですが、ちょいと面白い作品でしたよ。時代をへだてているが接点もあるらせん状みたいな構成がよかったかな。
2018年11月19日 21:54
おすもうさん、コメントありがとうございます。
ちょっと面白そうで、観ると・・・
ちょっと面白い、そんな映画でしたね。

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  • ワンダーストラック

    Excerpt: 1977年、ミネソタ。 母を交通事故で失った少年ベンは、落雷にあって耳が聞こえなくなりながらも、まだ見ぬ父を探すためニューヨークへ向かう。 一方、1927年、ニュージャージー。 耳が聞こえない少女ロー.. Weblog: 象のロケット racked: 2018-11-13 10:01