『死者からの手紙』:荒廃した世界の描写など目を見張るものはあるが・・・ @特集上映

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川崎市市民ミュージアムで鑑賞したソ連SF映画の2本目は、コンスタンチン・ロプチャンスキー監督の『死者からの手紙』。
初めて聞く監督の名前ですが、本作は以前に特集上映で何度か上映されたことがあるようです。
先に観た『ストーカー』はストルガツキー兄弟の原作を基にしていたが、本作は弟のボリス・ストルガツキーが脚本に参加しています。
さて、映画。

核戦争が起こったソビエト(かどこか)。
生き残ったひとびとは地下のシェルターで生活をしている。
妻とともに、博物館の地下で生き延びた老学者(ローラン・ブイコフ)。
学者夫妻には子どもがいたのだが、現在は行方不明。
願わくば、大規模な中央シェルターに避難して、生き延びていることを願うのだが・・・

といったところから始まる物語で、地上は瓦礫の山に死体の山、地上に出るには防放射能マスクにマントを着用せねばならないが、地上でも生き延びた人々もいるが・・・と展開する。

全編、モノクロだが、場面場面によってセピアだったり、ブルー系だったり、グレーブラックだったりと非基調に変化が付いている。
ただし、その色調の変化に、何らかの意味は見いだせない。

地上に出た学者は、教会兼孤児院を訪れるが、そこでは役人が子どもの検査をしている。
子どもたちは皆、ショック状態で口が利けず、役人たちは、このような状態では中央シェルターに避難させることはできない、死を待つのみだ、と宣告する。
苦悩するも、教授は子どもたちを神父とともに放置せざるを得ない・・・
(この子どもたちのエピソードは、ラストへの伏線)
そうこうするうちに、教授の妻は死んでしまう・・・

映画の大半は、地上との往き来、博物館のシェルターに残った人々の様子が描かれるが、物語的にはあまり展開せず、「人類は破滅したのかどうか」と悩む教授の姿が描かれるだけで、先に観た『ストーカー』と比べると、台詞は多いものの退屈感は否めない。

そのうち、ともに避難生活を送る仲間のなかで自殺者が出たり・・・と、いくぶん物語も展開するが、最終的に、先に登場した子どもたちが博物館のシェルターに連れて来られ、粗末ながらもクリスマスツリーをつくってお祝いをした後、教授は子どもたちに「力のあるうちに、行け」と言い残して死んでしまう。
雪の険しい山道を十人ほどの子どもたちが行く場面は、それまでの廃墟シーンと異なり、別種の力強さがあるが、判りやすい分だけ物足りなさも感じました。

荒廃した世界の描写など目を見張るものはあるけれども、観念的な台詞で場面をつないでいくだけで、語り口にうまみがないのが残念なでした。

評価は★★★(3つ)です。

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2019年映画鑑賞記録

新作:2019年度作品: 9本
 外国映画 9本(うちDVDなど 0本)
 日本映画 0本(うちDVDなど 0本)

旧作:2019年以前の作品:17本
 外国映画13本(うち劇場鑑賞 5本)←カウントアップ
 日本映画 4本(うち劇場鑑賞 2本)
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