横溝正史シリーズ『悪魔が来りて笛を吹く』『獄門島』『仮面舞踏会』&『白蝋の死美人』:BS12他

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昨年末からBS放送で放映されていた横溝正史原作の金田一耕助もののテレビドラマ、まとめて忘備録的レビューアップです。
作品は4つ。
さて、ドラマは・・・

まずは『悪魔が来りて笛を吹く』。
もとは「横溝正史シリーズ」の第1シーズン(当時は、そんな言い方はしなかったけれど)の第4作。
5回連続のシリーズ。

椿英輔に江原真二郎、その妻・秌子に草笛光子、娘・美禰子が檀ふみというキャスト。
同作品のドラマ化・映画化の中ではベストというべき作品で、監督の鈴木英夫の演出が冴えています。
余計な描写がなく、重要な描写の欠落もない・・・
当たり前といえば当たり前なのだけれど、過剰でもなくスリリングなわけで。
5回という長丁場でもダレません。
三島東太郎役は、この作品の沖雅也がベストでしょう。

放送される度に観てしまいます。

続いて『獄門島』。
本放送では『悪魔が来りて笛を吹く』に続いての放送作品です。
全4回のシリーズ。
監督は斎藤光正。東映で『悪魔が来りて笛を吹く』を撮りましたね。

基本的には体育会系的アクション監督(だと思っている)の斎藤監督なので、描写はしつこくなく、この作品には適している。
なのだけれど、金田一の旧友・千万太(角野卓造)が船中で病死するシーンが幾度となく挿入されるのはいただけない。
その上、4回から5回にかけての展開が急すぎ、第2、第3の殺人がまるでわからなくなっているが、これはどうも、5回から急遽4回に尺を縮めたせいではないか推察されます。
鵜飼役の三善英史、これで歌手から役者に転校するかと思われたけれど、そうはいかなかったようで。

もうひとつ『仮面舞踏会』。
これは横溝正史シリーズのシーズン2の第3作。
『悪魔が来りて笛を吹く』に続いて、ヒロイン鳳千代子を草笛光子が演じているが、彼女生来のバイタリティから、どうにも「死」の印象からは遠く、前作に続いてのミスキャストの印象が強い。
一方の主役・千代子の婚約者役を木村功が演じていて、この後、3年ほどで他界しちゃうのだが、『七人の侍』のときと同じく、いつまでも年齢不詳の若々しさがあるので、娘婿役のほうが年配に見えてしまうという欠点がある。
その他、久保明や佐原健二など、東宝出身の俳優陣で、ちょっとびっくりもする一遍。

事件のカギを握るのは赤緑色盲。
遺伝子異常にもとづく症例なので、あまり丁寧に説明しないが、事件の舞台当時を勘案すれば、もう少し説明がほしいところ。
(ただし、ドラマ制作当時、すでに遺伝子異常に基づく症例のため、人権問題に配慮したようにも思えます)

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最後は『白蝋の死美人』。

これは新しく2004年の製作。
こんなタイトルの横溝正史作品はなく、「雌蛭」「蝋美人」の2本に基づく脚色らしい。
このうち「雌蛭」は最近読んだので、そこそこ憶えているが、忘れものを撮りに行ってほしいと頼まれた金田一が死体を発見する・・・というエピソードがドラマで活かされている。
なお、原作では「アロハシャツ」を着て「変装」した金田一が描かれているので、ドラマでも描いてほしかったが・・・
ま、年のいった金田一では無理というものか。

岡田茉莉子、杉本彩なので、ダブルヒロインともいえるドラマなのだが、もうほとんど設定自体が無理筋ともえいるもので、残念至極な一篇でした。

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